アタシが苦手な野郎共【∞】祭 (ページ29)

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【正月】玖 M.R ページ29

丸山「んぅ……?」

目を覚ましたら、なぜか体が床に転がってた。

ご丁寧にお布団と枕が強いてあって、多分A先輩がやってくれたんやろうなってすぐに分かった。

そうや、夜遅いからって泊めてくれはったんや。

で、お風呂いただいたはええものの泊められる場所がないから『Aんとこ潜り込んでいいわよー』って…

妹さん、部屋入られるの嫌やって言うてたけども、それ先輩もとちゃいますのん?

丸山「あいたた……へぁっ、しょいっ!!」

床のホコリが鼻に入って盛大にクシャミしてもうた。幸い、鼻水は出てへん。

布団をベッドに畳んで戻して、部屋を眺めてみる。

あんまりゴチャゴチャしてへんし、むしろすっきりしてる空間や

僕の部屋とは大違いやなぁ……なんかええ匂いするし。

丸山「あ、ヒーター…加湿器も」

ベッドの足元に小さいヒーターと、机の上に小さい加湿器。

あ、僕があげたバラも生けてある。

丸山「なんやろ……先輩、って感じやなぁ」

「何がだよ」

丸山「おぅわっ、はぁああ!?」

「朝ご飯できたぞ。食ってけ」

丸山「はっ、あ、はい!! ご馳走になります!!」

びっくりしたー……

いつの間に扉開いてたんやろ。全然気づかんかった…

「あ、ヒーターと加湿器消せよ」

丸山「はぁいっ」

「ほら、おっかれさん」

丸山「……これ、は」

「簡単なもんしかできないけどよ。ま、食べな」

丸山「いただきますっ!!」

ご飯にお出汁と半熟卵、刻み海苔とネギ散らしたお茶漬け。

こんなに美味しいもんやったっけ。

鰹のお出汁きいててめちゃウマですやん!!

「足りなかったらまた作るから言え」

丸山「ふぇんふぁいは?」

「アタシ? 味見がてら食べたよ」

丸山「ふぁりまふ?」

「足りるか足りないかっつったら足りないけど…後で食べるし」

土鍋のご飯をカキカキしながらそう答えた先輩。

朝早くてご飯作ってくれたのに、食べてへんなんて…

なんだかちょっと申し訳ない。

「まだ食べるか? 足りんだろ、それじゃ」

丸山「えっ、あ……はい、いただきます…」

「ちょっと待っとけ。すぐできる」

丼を先輩が受け取ってから5分。ホンマにすぐできた。

今度はご飯に白菜とニラのキムチ、お出汁、ちょい固めの卵に、豆腐。

あ、鷹の爪も入ってる。

丸山「美味しそー…」

「どれ、アタシも食べるか」

丸山「あ、それならお隣どうぞっ」

「……お前の隣?」

丸山「そんな嫌そうな顔せんでもっ!!」

「冗談だよ」