アタシが苦手な野郎共【∞】祭 (ページ22)

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【正月】弍ページ22

横山「想麻ー」

村上「うぉーい」

「おう、あけおめ」

杵と臼の掃除と消毒を終えて、もち米蒸してるとモコモコのジャンパー着た二人が着た。

相変わらず仲良いのな、お前ら。

横山「あけましておめでとー。今年もよろしくなぁ」

村上「あけましておめでとうございますー。俺年男やねん」

「あ、戌年? んじゃ今年の抱負を一つ」

村上「いきなりのフリが雑やな。

えー……そうやな、今年の春から大学生なんで、色々なことに挑戦し充実した濃い年にしたいと思います」

「真面目か。結構ガチな回答出したな」

村上「『ワン』ダフルな一年に、とか考えたんやけどな。ここは真面目にやったろと思って」

横山「偉いなヒナ。ほんなら俺は……」

「あ、ごめん米蒸し終わったわ」

横山「タイミングええのか悪いんか……」

村上「ドンマイや(笑)」

米は鮮度が命。それはもち米だけじゃなくて、寿司屋の米でも定食屋のご飯でも同じ。

臼にもち米放り込んで、母を呼ぶ。

「母さーん」

母「あー、もう蒸し終わったの? やっぱりせいろ変えると違うねー」

横山「お母様っ!! 新年あけましておめでとうございます!!」

村上「今年もよろしくお願い致します!!」

母「あらー、横山くんに村上くん。今年もよろしくねぇ。ウチのじゃじゃ馬、相変わらず手が掛かるけど面倒見てあげてね」

「ちょっと母さん、誰がじゃじゃ馬だ。

お前らも誰に許可得て『お母様』なんつー呼び方してんだよ」

村上「こないだから呼んでええって」

横山「お母様、俺手伝いましょか?」

母「あら、いいのよ。ウチの怪力馬鹿がやるから」

「何ポイント稼ぎしようとしてんだ色白。その肌ぶっちぎって餅と一緒についてやろうか」

横山「やめてくれ。俺その肌失くしたら個性消えてまう」

「チッ」

横山「なんや今の舌打ち!! 本気か? 本気やったんか!?」

『想麻怖い!!』ってムンクの叫びポーズしてる金髪白豚は放っといて、ちゃっちゃか準備。

店頭に杵と臼を出すと、常連のお客や近所の家族連れ、それとアズんとこの家族オールスター勢揃いしてた。

貫禄あるなぁ、あの家族……