アタシが苦手な野郎共【∞】祭 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:30,337 hit

【Halloween】参ページ3

「んで? 何の用だコラ」

大野「あのね、生徒会のお仕事」

「生徒会だぁ? 知ったこっちゃねーよ、ンなもん」

大野「このイベントさ、写真撮られたり動画撮ったりしてホームページに載せるんだって。

それで、ウチの学校はこういう活動してるんですよってアピールしなきゃいけないんだって」

「……それで、一人参加してないのは学校側としちゃマズいと」

大野「一人、ハブられてるみたいに見えるからね」

「アタシ隠れてりゃいいじゃん。何も映さなくたって」

大野「そういう訳にはいかないの。それぞれのクラスで写真撮影しなきゃなんないし、これ卒アルにも載るから」

「めんっっっっどくせぇな!!!」

そんなもんのためにアタシ起こされたわけ!?

嫌だ嫌だ。いくら大野の頼みだからってこればっかりはムリ。

大野「だから参加して? お願いっ」

「無理無理。これはマジでムリだから」

大野「なんで?」

「衣装ねぇから。何する祭りかなんて知らなかったし」

大野「……ないの?」

「なんにも」

大野「ヒナとか教えてくれなかったの?」

「誰も」

大野「………苦労したんだね」

「その哀れみの目をやめろ。別にイジメとかあるわけじゃないから」

どんだけ悲しい女に見えたんだ、アタシは。

そんなにぼっちに見えるか。

大野「衣装ないだけ?」

「菓子はある。アタシの非常食」

大野「わ、安上がり」

「悪かったな!! チュッパチャップス好きでなんか文句あるか!!」

大野「ないない。

衣装ないだけならいいか。ちょっと、来て?」

「は?」

で、なぜか連れてこられたのは生徒会室。

相変わらず埃っぽいな、ここ。

＿＿＿＿＿＿ガッチャ…

大野「ただいまー」

櫻井「あ、おかえり。いらっしゃい、想麻さん」

「よう。

なに、生徒会は全員落ち武者のコスプレしてんの?」

櫻井「落ち武者!? 落ち武者に見える!?」

「それ以外何なんなの」

頭から血ぃ流してボロボロの着物着てる時点でそうとしか見えないんだけど。

顔が半分ただれてる化粧はよくわかんないけど。

櫻井「あの、これ一応お岩さんなんだけど…」

「え、お岩さんって四谷怪談の? 女だったよな、あれ」

櫻井「それの男バージョン。変わり種もイイかなと」

「へぇー…」

櫻井「関心ないね!! 本っ当に」

「あっても次の日には忘れてる」

櫻井「ひどっ!!」

「で、連れてきて何するつもり?」

大野「んー、メイクアップ」

「は」

いやいや、無理無理無理。

アタシに最も似合わない言葉だそりゃ。