アタシが苦手な野郎共【∞】祭 (ページ13)

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【Christmas】参ページ13

「うぅ、さみっ…」

大掃除も終業式も終わり、あとは帰るだけ。

ヒーターを消した教室は何気に寒くて膝が震える。

部活のウィンドブレーカーを羽織って、鞄持って、日誌も持って。

「授業もなんもねぇのに、日直はあんのな」

今日の日直はアタシとアズ。ちゃっちゃと自分の分の日誌書き終えたアズはさっさか帰ってった。

アタシも書き終えて、職員室に持ってったら今日のミッションは終わり。

……なんだけど、

「………横山ー」

横山「……」

コイツが動かない。

なんでって自分の机でグースカ寝てやがるから。

置いて帰るのも別にいいんだけど、取り残すのもなんだか嫌だし。

それと、宿直の先生に鍵閉められでもしたらそれはそれで可哀想だし。

しゃーない、起こすか。

「横山ー」

横山「……」

「起きろコラ。白豚」

横山「………」

「オイ、東京X豚」

横山「………関西、やし」

「起きてんなら返事しろっ、つーのっ!」

横山「あだっ!!」

おーおーいい音鳴った。

バコン、だとよ。いい仕事するな、日誌。

横山「いっ……た!! なに!? 今のなに!?」

「日誌」

横山「おまっ、日誌って表紙硬いねんぞ!? それで後頭部殴ったらアカン!!

しかも角使ったやろ!!」

「よくお分かりで」

横山「分かるわ!!」

更にアホなったわーとかほざいてるけど、元からだし。

授業中も寝てたらアホにもなるわ。

横山「あー…もうみんな帰ったんか」

「帰ったよ。お前の愛しの村上も」

横山「愛しちゃうわ!! なんであんなゴリラ好かなアカンのや」

「照れんなって」

横山「照れてへんわ!!」

とか言いつつ耳真っ赤。分かってんだよこっちゃ。

今更隠したって無駄だぞ横山。

「ほんじゃアタシ帰っから。じゃーな」

横山「あ、想麻」

「ぁ? なに」

横山「その……クリスマスって、予定入っとる…?

今年、大倉んとこでパーティーしようって話になってんねんけど…」

おーおーコイツもか。クリスマスに浮かれる野郎の一人。

「家の手伝い。クリスマスとはいえ大衆食堂も忙しいんでな」

横山「あ、おん……そっか、分かった」

「ウチ来て飯食べてってもいいんだぞ」

横山「や、それはええわ。そうか、予定あるんならええわ」

「おう」

珍しい、横山がねちっこく粘らない。

これはこれでありがたいけども。

横山「今度会うのは年明けやな」

「んだな。初詣行くのか?」

横山「あ、おん。弟達と」

「仲のよろしいことで」

横山「じゃあ」

「来年会おう」