行け、真選組 ページ50
迅速より速く、駿河の奉行所へ連絡が行き交通手段も確保された。
事の次第を把握した松平公所有のヘリで向かうことになり、真選組の隊が出動した。
土方は屯所を離れるわけには行かないため、通信機器で指示を出す。
一番隊、二番隊が向かい、最速で駿河を目指す。
「お前、家はどの方面だ」
「駅を背にして右に向かうと、真っ直ぐな田んぼ道があるんです。そこを突っ切って、山に入る手前に道場があります」
「そうか、剣術と武道の道場つってたな」
「ああもう、無事だといいんだけど……」
そわそわして落ち着かないAの指先は冷えており、血色を失ったように真っ白だ。
こうしちゃいられないと駆け出したい気持ちがせめぎ合っているのだろう、不安な思いで噛んだ唇から血が出ていた。
「バカ言うんじゃねぇよ」
白い指先に銀時の指が絡む。痛いくらいに握られ、伝染された体温がゆっくりと血色を取り戻していく。
「普段はバカやってるチンピラでも、やるときゃやるんだよ。江戸のお巡り、舐めんな」
「テメーが言うセリフじゃねぇだろ、万事屋」
「あれぇ？ いつだったか、頭下げて真選組を頼むとか行ったの誰だったっけぇ」
「知らねぇな。そんな腑抜けた野郎いたら即切腹だ」
『今ヘリに乗り込みました!! 駿河まで最短で40分はかかります!!』
「奉行所は!!」
『今向かっているようです! 道場付近に帯刀した男たちの目撃情報あり!!』
「真選組到着まで待機!! 麻薬密造と廃刀令違反だ、罪状忘れんな!!」
『ハイ!!』
駿河までは遅くて半日、速くて40分。遠い距離にある故郷を憂い、もどかしく、背が冷える。
神楽がAの肩に寄りかかり、定春はもたれかかってもいいようにお座りして待っている。
『トォシィ、聞こえっかァ。こちら松平』
「とっつぁん！？ アンタがなんで、」
『俺のヘリに俺がいて何が悪ィ。潜伏先まではあと10分で着く』
「さっきは40分つって、今度は10分だァ？ 時速何キロだオイ」
『俺ァ早く帰って母ちゃんのバースデー祝わにゃならんのよォ。だから仕事は早く終わらせてぇんだ分かるかトシィ』
「完全に私情じゃねーか!!
まぁいい、その道場にはガキ数人いやがる。その姉貴に助け求めていやがんだ、急いでくれ」
『姉貴ぃ？ そいつァいい女か』
「女気にしてる暇ねぇだろ!! 泣きそうなツラして俺の後ろにいやがらァ」
『ほーう、そりゃあオジサン頑張らなきゃあな。女の涙は、何があっても滴らせちゃあならねぇってモンよ』
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柏餅(プロフ) - 神すぎますｩｩｩ😭 (4月7日 21時) (
レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
わか - 原作を守りつつ良い感じにキャラと関わる位置にいる感じ！言いたいこと分かりますかね？ (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
わか - こういう設定好きです！！キャラとのほどよい距離感というか、食堂で働いてます！とか、保健室の先生です！とか、 (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
ユユユ - めちゃくちゃ面白いです！続き楽しみにしてます！無理せず頑張って下さい！ (2021年2月7日 12時) (レス) id: 2ebf8b6b93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pillow | 作者ホームページ：
作成日時：2021年1月29日 17時
