検索窓
今日:7 hit、昨日:136 hit、合計:346,041 hit

清めたって次の日にはホコリ被ってる ページ40

「これ……お酒!?」

「やりやがったな、あのクソ坊主。俺たちに片棒担がせるつもりだった」


ぷんと鼻を突くようなアルコール臭は、紛れもなく酒のそれだ。

大きい瓶に並々と入っていたそれはかなりの量がぶちまけられ、鼻から吸った新八は頭が酔ったようにくらくらと意識が微睡んでいた。


「ぎ、銀さん。これは一体……」

「新八、例の麻薬がどうやって反応するか覚えてるか」

「えっと、確かお酒に反応するって……じゃあ、これもしかして」

「酒に麻薬溶かして、あちこちにばら撒くつもりだったんだろうよ。こいつぁつるんでる野郎のリストだ」

「じゃあ、さっきの和尚さんもグルってことですか?」

「もしくは、脅されてんのかもな。

いっちょ、調べてみるか」


そうして、辺りに飛び散ったアルコールをそのままにして運転席に乗り込む銀時。

直後、酒の匂いに酔ったのか窓から吐いていた。


「ウォロロロロロロ!!!」

「大丈夫なんですか、アンタ……」




ダンボールを載せたまま寺院に戻った銀時と新八は、依頼主の和尚にダンボールの一つを落としてしまったと報告した。

すると、わなわなと震えて地面に膝をついたのである。


「えっ、あの」

「アンタも分かってたんじゃねぇのか。あいつの正体によ。何が清め水だ、煩悩の塊溶かした酒で何を清めようってんだ。清めるどころか煩悩が広がるだけだわ。

浄めに酒使うたぁ言うけどよ、そういうのは問屋から卸して貰うんじゃねーのか。スナック御用達の問屋のジジイが言ってたらしいぜ。

あと、清めるっつったら日本酒だろうが。なんでジン使ってんだよ。ダジャレか? 寺院がジン使ってるってか? 上手くねぇんだよ」


酒を知り、スナックに出入りしている銀時だからこそ把握していた知識だった。

また、寺院や仏閣の浄めに使われるのは決まって日本酒。米は豊穣の恵みだとかなんとか色々理由があるらしいが、割った瓶から漂ったのは米糠ではなく洋酒の香りだった。

もし日本酒ならば、清め水ではなく清めの酒でしたという言い訳で済んだかもしれない。しかし、なぜわざわざジンを選択したのか。


「誰かに気づいて欲しいという、我々の小さな抵抗の現れにございます……」

和尚の告白→←ご依頼です



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (173 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
550人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

柏餅(プロフ) - 神すぎますゥゥゥ😭 (4月7日 21時) (レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
わか - 原作を守りつつ良い感じにキャラと関わる位置にいる感じ!言いたいこと分かりますかね? (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
わか - こういう設定好きです!!キャラとのほどよい距離感というか、食堂で働いてます!とか、保健室の先生です!とか、 (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
ユユユ - めちゃくちゃ面白いです!続き楽しみにしてます!無理せず頑張って下さい! (2021年2月7日 12時) (レス) id: 2ebf8b6b93 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:pillow | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年1月29日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。