かぶき町がかぶき町たる所以 ページ31
煙草に火をつけ、紫煙を吐き出すお登勢はここ数日の記憶を逡巡させていた。
かぶき町四天王と自身を肩を並べる体躯のデカいオカマと、つい昨日似たような話をしたのだ。
それからホストクラブのオーナー、キャバクラの店長、大っぴらに言えないような風俗店に勤めるソープ嬢。
「妙だね」と灰を落とす。
「妙、とは」
「ここらでお妙と同じような話を耳にしたのさ。西郷んとこにホスト、『キツねっ娘』のアキヨ、色んなところからね」
「じゃあ、もしかして……」
「かぶき町をどっかの誰かが汚染してんのさ。この町を落とそうとしてる輩は存外少なくないからねぇ」
「最ッ低」
思わず溢れ出た侮蔑の言葉にお登勢とお妙の視線が刺さる。
盆を持つ手が震え、言い知れぬ怒りと共に顔が歪む。
かぶき町ではまだまだ新参者だが、それでもAにとってはいい町なのだ。
問屋の主人、ソープ街の店長、キャバ嬢、ホスト、案内所のオヤジに公園のホームレス。色んな仕事をして、そうして成り立つこの町を落とそうとするなんて。
「ま、落ち着きな。被害は出てるんだ、警察も奉行所も出てるだろうさ」
「……なんで、かぶき町って狙われやすいんですか」
「町全体というより、住んでる人間だろうね。住民にゃ色んなやつがゴロゴロいんのさ」
「どういうことですか……？」
かぶき町四天王に数えられる、ヤクザ者の泥水次郎長に『かまっ娘倶楽部』のマドマーゼル西郷は攘夷戦争の参加者だ。実力もさることながら、かぶき町内外で顔も広い。その気になれば人脈を辿ることもできるため、おいそれと手を出すことはできない。
また、流れ者や浮浪者とはいえ、元幕府の役人なり呉服屋の大旦那なり輝かしい経歴を持つ者も多い。現在は屋根下にも居られないような人物だが、商売敵や幕府側にとって潰しておきたい人間であることもあるだろう。
一癖も二癖もあるかぶき町だからこそ、手中にした途端の江戸征服は急速に進むだろう。
「幕府の役人も多く出入りしてるような町だからね。そういうのを狙う奴らもゴロゴロいるんだよ」
「なんか、卑怯っていうか……女々しいですね」
「正面から行ったら潰されるのは目に見えてるからね。頭なり薬なり使って侵食しようとしてんだよ」
「どうにかして、掴めないものですかね」
「ヘタに手出すんじゃないよ。うっかり薬なんざに手ぇ出したら、うちはもちろんアンタの家族にだって連絡が行く。そうしたら、出稼ぎのアンタは御役御免になるんだ」
若い時は勢いが大事だが歳をとると慎重になることの方が多い→←ふと視界に入る暗雲
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柏餅(プロフ) - 神すぎますｩｩｩ😭 (4月7日 21時) (
レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
わか - 原作を守りつつ良い感じにキャラと関わる位置にいる感じ！言いたいこと分かりますかね？ (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
わか - こういう設定好きです！！キャラとのほどよい距離感というか、食堂で働いてます！とか、保健室の先生です！とか、 (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
ユユユ - めちゃくちゃ面白いです！続き楽しみにしてます！無理せず頑張って下さい！ (2021年2月7日 12時) (レス) id: 2ebf8b6b93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pillow | 作者ホームページ：
作成日時：2021年1月29日 17時
