志村邸へこんにちは ページ25
可愛い素敵だと褒め倒し、ようやく神楽の熱が収まったところで志村邸に向かうことになった。
からっとした天気は日差しが強く、日傘が必須な彼女はご機嫌にくるくると回り軽い足取りだ。
ただ、無鉄砲にずんずん進むのではなくAの歩幅も配慮してくれているところは、男どもにはない気遣いである。
女の子とどこかへ出かけることはあまりない神楽はいつも以上にはしゃいでおり、新八や銀時からは勢い余ってなんか壊したりすんなよと釘を刺されていた。
「アネゴの家、もうすぐアルヨ」
「ああ、近いんだねぇ。徒歩でも来られちゃうや……」
「新八、ダッシュで来て遅刻したことないネ。めっさ近いから、私もよくお泊まりするヨ」
「そっかぁ」
『天堂無心流 恒道館道場』と看板を掲げた大きな屋敷が志村姉弟の実家のようだ。
インターホンも押さずにお妙を呼ぶところを見ると、これが通常らしい。
あらあら、と涼し気な水色の着物を纏った家主が出迎えに来てくれた。スリッパを出して、どうぞ上がってと促す。
「お妙さん、本日はお招き頂いてありがとうございます」
「あら、そんな畏まらなくっていいのよ。私がお喋りしたくって、 わがまま言ったんだもの」
「あの、これ。手ぶらもなんだと思って……」
「まぁ、いいの? 嬉しいわ」
「お茶菓子なんですけど、よかったら」
「なら、お茶の時間にしましょうか」
「キャッホウ! おやつアル!!」
持参した浅葱色の風呂敷には、前日から仕込んでおいた手土産を包んでいた。
それを手渡し、草履を脱いで踵を揃え、こっちよと案内するお妙と神楽に続く。
道中、黒い影らしきものが見えたが気のせいと思っておくことにした。
「待っててね、今持ってくるわ」
居間に残された神楽はすでに胡座をかき、Aは正座を崩さず畳に座した。
自前の酢昆布をくちゃくちゃ噛みながら、ごろんと寝転がる神楽は自由奔放だ。一方のAはというと、初めて来たお妙の家に緊張しまくりだった。手汗が半端なく、手拭いが若干湿り始めている。
「お待たせ〜。いいお茶をいただいたの」
「わ、いい香り」
「ウチのより色キレイアル!!」
「熱いから気をつけてね。
ああ、そうだわ。私もお菓子作ってきたの。どうかしら」
「……これ、は」
皿に乗せられたのは、なんというか焦げた物質だった。竹炭よりも黒く、ちょっとねばっとしてあるのが怖い。
「パウントケーキなんだけど、型がなくって崩れちゃって」
「くず……えっ?」
かぶき町三人かしまし娘→←友達の家に行く前日ってワクワクしない?
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柏餅(プロフ) - 神すぎますゥゥゥ😭 (4月7日 21時) (レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
わか - 原作を守りつつ良い感じにキャラと関わる位置にいる感じ!言いたいこと分かりますかね? (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
わか - こういう設定好きです!!キャラとのほどよい距離感というか、食堂で働いてます!とか、保健室の先生です!とか、 (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
ユユユ - めちゃくちゃ面白いです!続き楽しみにしてます!無理せず頑張って下さい! (2021年2月7日 12時) (レス) id: 2ebf8b6b93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年1月29日 17時