田○の大○じゃないよ ページ14
志村姉弟と連れ歩いて暫く。
妙はここで、と勤め先のキャバクラに向かっていった。
残された新八とAは行き先が同じなので、そのまま並んで行く。
「道場復興に、資金が必要で……手っ取り早く稼げるのは、やっぱりお水の仕事ですから」
「そうなんですね……」
「大前さんが働いていたところにはあったんですか? こういう、歓楽街というか…」
「あぁ……あるにはあったんですけど、なんというか…こう、きらきらしたものじゃなくて……どっちかって言うとスナックみたいなお店が多かったですね」
田舎ということもあってか、自分と同世代の人間はみな都会の方で働くようになり、結果として年齢がいった大人が集うスナックやキャバレーが多かった。
もちろん、そういったお水の店は成人してからにしなさいと両親からキツく言われていたため、バイトをするのは決まってコンビニのレジ打ちか清掃か、いずれにしても客と同じソファに座るような仕事ではなかった。
レジ打ちできるんですね、と新八に関心された。なんでも、万事屋の社長に会うまでファミレスのバイトをしていたがレジ打ちが全くできなかったという。
「なんかこう、どれ押してもピーピーしか鳴らなくて……」
「もしかして、ボタンに文字書いた紙入ってるのでした?」
「はい。黒いところに金額が出るやつで…」
「あれ分かりづらいですよね。マニュアルないと全然手順分かんなくて…」
どうやら彼女もレジ打ちには苦労したらしい。新八は1年ほど働いていたが、Aはレジ打ちから品出しの方が向いていると言われてそちらの業務へ回ったらしい。
それから程なくして江戸行きが決まり、バイトは全て辞めて給金は生活費につぎ込んだ。これまで現金だったのが、振り込みになるのは少し不安だという。
「ATMっていうんですかね、アレがないんです」
「えっ、じゃあこれまでお金って……」
「バイト先からは現金支給だったので、それを使ってました。残りはタンス預金です」
「今もタンス預金する人いたんだ……」
「銀行も、あるにはあるんですけど遠くって。歩いて30分くらいかな」
「どんだけ田舎なんですか。絶対家の周りに田んぼとかあるでしょ」
「えっ、分かるんですか!!」
「当てちゃったよ! マジでか、マジで田んぼあるんですか!?」
「家の周辺、ほぼ農家さんなんです。なので都会だと1日2本のバスで行かなきゃならなくて」
「どんだけ俗世から離れた場所にいたんですか!? 仙人かよ!!」
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柏餅(プロフ) - 神すぎますゥゥゥ😭 (4月7日 21時) (レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
わか - 原作を守りつつ良い感じにキャラと関わる位置にいる感じ!言いたいこと分かりますかね? (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
わか - こういう設定好きです!!キャラとのほどよい距離感というか、食堂で働いてます!とか、保健室の先生です!とか、 (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
ユユユ - めちゃくちゃ面白いです!続き楽しみにしてます!無理せず頑張って下さい! (2021年2月7日 12時) (レス) id: 2ebf8b6b93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年1月29日 17時