アタシが苦手な野郎共【∞】弐 (ページ6)

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身に覚えがない O.T ページ6

横山「お前がそんな奴やったとはな。見損なったわ」

大倉「ちゃうねんって!! 信じて!! 神崎さんは関係あらへん!!」

部活からの帰り。
俺は横山君から向けられる冷たい目線に耐えながら、流れた噂の誤解を解いてた。

横山「結局は体か。ナイスバディやったら誰でもええんか」

大倉「ちゃうって!! 確かにまぁスタイルええし可愛えけど先輩ほどちゃうやん!!

先輩は程よいスレンダーボディで背ぇ高くて可愛くてもうなんか彼女にしたいNo.1やし…」

横山「そんな想麻っちゅう存在がいながらカノジョ作ったんか。へぇー」

大倉「俺ホンマに知らんねんて!! 神崎さんは委員会で一緒なだけやって!! デマ!!」

横山「ふーーーーん」

大倉「ムッカつく!! そのやけに間延びした返事がムカつく!!」

横山「まぁ、そっちの方がありがたいけどな」

大倉「俺の存在はA先輩のためだけにあるんですぅ!!
そう簡単に引きませーん」

誰が引くか。あんないい人、誰が手放すねん。

俺はな、中学1年の頃からあの人にベタ惚れやってんぞ!!

せやから告白は全部片っ端から断ったし、しつこい女には『俺が好きな人以上に可愛くなってから出直してや』って言うてんねん。

ま、恋は盲目。いつ見ても可愛くステキで凛とした先輩の周りにおる女なんてみんな土偶にしか見えへん。

あ、珠ノ屋先輩は例外やけど。

そんな俺が、他のオンナに目移り?

冗談キツイて。

横山「TwitterもインスタもFacebookも荒れてんで。
『あの大倉忠義にカノジョができた!!』てな」

大倉「えっ、ウソやん!! まさかのSNSで拡散!?」

横山「見てみ」

横山君のスマホを借りて見ると、神崎さんのアカウントが表示されてた。

いっちゃん早いコメントに対するリツイートがハンパやない。

なんか、みんな意外と信じとるし。

Facebookには、いつやったかの試合での俺の姿の写メと『大好きなカレ♪』のコメント。

インスタはもう見る気なくして、横山君にスマホ返した。

大倉「なんなん、マジで…俺神崎さんとなんも関係あらへんのに

ついでに言うなら、せめて先輩との噂流して欲しかった…」

横山「無理やな」

大倉「もう!! そうやってすぐに否定する!!
否定的な男って嫌われやすいんやで!!」

横山「べっつにええしー。俺には想麻がおるしぃー」

大倉「はぁ～? カレシでもないくせによう言えるなぁ。
どうせ妄想の中でだけ彼氏ヅラしとんのやろ?」

横山「いずれなんねんからええんですぅー」

大倉「ムッカつくー……」