アタシが苦手な野郎共【∞】弐 (ページ50)

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今さらやけど、行動起こそう O.T ページ50

大倉「……なぁ、ヤスなんかええことあった?」

安田「んー? なんで?」

大倉「いや、いつもより機嫌ええからさ…」

安田「え、分かるぅ?」

スキップしてる時点で分かるわ。

声ちっちゃいけど鼻歌歌っとるし。

LINEのステータスコメントも

『今日はいっちゃん幸せな日♡』

に変わってたし。

大倉「なぁ、ヤス教えてぇや」

安田「え～、聞きたい?」

大倉「聞きたい!! なになに? 新しいギターでも買うたん? それとも、ずっと可愛え言うてたスタンドプードル飼えたとか?」

安田「んー……先輩に、告白した♪」

大倉「へぇー……

…先輩、って」

安田「A先輩に決まってるやんっ」

マジか……

もう一足、遅かった?

あぁもう、なんでこう毎回タイミング合わへんのかな…

中学の頃もそうやったし…

安田「それになぁ、先輩の新しい一面も見られてん!」

大倉「新しい……一面?」

安田「せやねんっ。ちょっとホンキ出して耳食べたら、お顔真っ赤になってもうて!! 」

大倉「耳、食べた!?」

安田「ちょーっと、ガプッて。ほんでさぁ、なんて言うたと思う?」

大倉「さ……さぁ…」

安田「『いきなり耳噛じるとか意味わかんねぇ。お前ウサギの皮かぶった狼か!?』って言うんよぉ～。

耳押さえて、真っ赤っかで! んもーぉ可愛すぎぃっ!!」

大倉「そ、なんや…」

ヤスの男らしさ見せつけられたら、大体の女子はみんなオチてまう。

普段のこの可愛さと、男らしいギャップでヤラれてまうんや。

せやから、ヤスの人気の理由は『ギャップ』にある。

女子は『キュンとする』らしいけど、男からしたら人によって態度変えてるようにも見える。

大倉「で、どうなったん?」

安田「んー、まだなぁんも。けど少しはインパクト残せたかなぁって」

そりゃ、インパクト残せるわ。

ヤスに本気出されたら誰だって印象残るやろ。

俺もこうしちゃいられへん。何か行動起こさんと…

大倉「あっ…」

安田「大倉? どうかしたん?」

大倉「あ、いや……」

思いついた。

エエ男を魅せる、かつ先輩をときめかせる(かもしれない)方法!

体育祭があるやん!!

そこで、俺のデキる男っぷりを見せれば…

先輩も、少しは俺のこと見直してくれるんちゃう!?

ヘタレ大倉、ここで頑張らんでいつ頑張る!

よし、そうと決まれば今日からトレーニングするで!!

待っててください、俺のA先輩!!!

「っくし」

村上「風邪か?」

「悪寒がする…」

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