アタシが苦手な野郎共【∞】弐 (ページ29)

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俺の好きな人は、こんな人です O.T ページ29

大倉「それは…勝手ちゃいます?

俺とあんた、委員会以外で話したことないやん。
しかも事務的なことばっかりやし

せやのに、勝手に俺のこと彼氏とか言うてSNSに投稿して。ありもせぇへん噂広げて。

こっちの迷惑、考えてます?」

神崎「そ、れは……」

大倉「それに、俺好きな人おるんです。いくら周りが神崎さんのことを『可愛え』言うても、俺はそうは思わへん。

一般的にはええんやろうけど、俺もっとええ人知っとるんで」

せやから、デートはお断りします。

SNSの噂は、俺が否定します。

それだけ言うて、俺は会室を出た。

ホンマに俺のこと好きで、真正面から告白してくれるような人やったらまぁ許す。

けど、わざわざ噂拡散しといて勝手に位置づけるのはやめて欲しい。

あーーあ、なんか朝から疲れた…

A先輩のとこ行こう……

＿＿＿＿＿＿ガラッ

大倉「Aせんぱ……」

村上「いけ!! 負けんな想麻!!」

横山「もうちょいや!! 踏ん張れ!!」

愛紗「渋谷負けんなーっ!! 頑張れ!!」

大倉「………何してはるんですか?」

なんで腕相撲やってんの、この人達。

結構ガチやし、ギャラリーうるさいし。

え、なんなん?

村上「お、大倉やん。おはようさん」

大倉「おはよ……」

渋谷「んぬぐぐぐぐ!!!」

「っだらぁあああ!!!!」

渋谷「ふんっ、ぬぐぐぐぁああああ!!!」

「んっのやるぉおおあああ!!!」

大倉「……え、朝から何してんの? ホンマに」

横山「腕相撲やん」

大倉「いや、それは見たら分かるわ。なんでやってんの?」

愛紗「ほらぁ、A再来週で最後の高総体じゃん?

それで、腕力はどのくらいか測定しようって話になって。

ゴリラの村上じゃあもう差は歴然だし、横山ともやったんだけどアッサリ負けちゃって。

んで、この中で貧弱の渋谷だったらちょうどいい相手になるから、って。

で、今この状態。これで10分は経ってんの」

大倉「10分!?」

どんだけやってんの。

ていうかそんなんやってA先輩の腕折れへんの?

折れたら付き人として一緒におりたいけどさ。

「くっ……」

渋谷「はぁ…はぁっ……ふんっぐぐぐ!!!」

「どりゃぁぁああああ!!!」

村上「すばるいけ!! そのままや!!」

横山「想麻!! いけるて負けんな!!」

愛紗「保て保て!!!」

大倉「せっ……先輩、ファイトです!!」

A先輩の右腕が傾いて、なんとか肘で保っとる状態。

頼む、神様。先輩にどうか力を……!!

「っせいぃいいい!!!」

＿＿＿＿＿＿バンッ!!