アタシが苦手な野郎共【∞】弐 (ページ21)

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村上君の劇的チェンジ N.R ページ21

錦戸「ふん、ふん、ふふーん♪」

あ、どうも♪

ムカつくオンナを撃退してスカッとしてる錦戸です。

いやぁ、あの顔ウケたわー♪

『彼氏には絶対ならへんから』って言うた瞬間、もうボロッボロ泣き出して。

『そんなにあたしが嫌い?』って聞いてきたもんやから、

『そもそもお前に彼氏扱いされる前から嫌いやわ』って言うたってん。

あー、スッキリした♪

＿＿＿＿＿＿ガラッ

錦戸「せんぱ…」

あれ、おらんし。

珍し、トイレでも行っとんのかな?

ええか。待たせてもらお

村上｢おぉ、亮。おはようさん｣

錦戸「あ、村上く……」

村上「なんや、どないした」

錦戸「む、村上、く…その、髪は…」

村上「ん? あーこれか? イメチェンや、イメチェン」

錦戸「なんで茶色…? いや似合うとるけど…」

村上｢ヨコにも言われたわ。お前ら揃いも揃って同じこと言うなぁ｣

A先輩の隣席に座る村上君の髪色が劇的に変化しとった。

昨日見たツヤツヤの黒髪はなくて、焦げ茶みたいな色になってる。

いやええねんけど。似合ってるしええねんけど。

なんでいきなりイメチェン!?

村上「あ、そうや亮。ちょお報告あるわ」

錦戸「え、なになに? なんか怖いねんけど…」

村上「俺な、想麻に告白したわ」

錦戸「あ、へぇ。告白……」

コクハク?

あの、世間では『あなたが好きです』とか言うやつ?

村上君が? A先輩に?

村上「まぁ本人はうっすい反応やったけどな。
脈ナシとは分かっとったけど、それもなかなかキツいなぁ」

錦戸「え、え? いつ?」

村上「昨日の帰り」

錦戸「はぁぁあああ!?」

自分でも驚くほどデカい声で叫んだもんやから、クラスにおった人たちみんなこっち向いてきた。

スンマセンて頭下げて、声潜めて話に戻る。

錦戸「なんで急に? そんな素振り見せへんかったやん」

村上「衝動的にな。アホ面かましてピザまん食うとるアイツが愛おしくなって。

愛しさのバロメーター超えて、気がついたら口が勝手に動いとった。

別れ際っちゅうこともあったから、余計手放したないって思ったんやろうな。本能が」

え、そんなことある?

本能て動物やないねんから…

いや、半分ゴリラの村上君やったらありえるかも?

錦戸「それで髪色変えたん?」

村上「おぉ、印象変えよう思てな。キスだけやとインパクト弱いかと」

錦戸「キっ!?」

村上「あ、唇ちゃうで。デコやデコ」

錦戸「それでもっ! キスに変わりないやん!」

嘘やろ、俺らの何歩先まで近づいてんの!?