アタシが苦手な野郎共【∞】弐 (ページ20)

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俺がお前を拒否する理由は N.R ページ20

錦戸「は?」

なんなん、コイツ。

俺が言うたこと聞こえてた?

伏見「そんな顔も知らないような人に、亮くん取られたくない!

その人より、あたしの方が亮くん好きだもん!!」

はぁぁあああ?

何を抜かしてんねん。

先輩の顔見たことないからって、それはないやろ。

どんだけ自己中やねん。

あーそのウルウルした目やめてくれへんかな。

『私諦めません、だからつき合って』って心ん中見え透いてる。

なんかもう、手に取るように分かるわ。

錦戸「悪いけど、俺勝手に噂流すオンナ嫌いやねん。
ついでに言うと、マネージャーの肩書きあるくせしてロクに仕事せぇへん上に後輩に全部押しつけてスマホゲームやっとるようなオンナもっと嫌い。

マネージャーも選手と同じように汗流して活動するべきちゃうんか」

これは前々から村上君が言うてたこと。

水を使う仕事が多いマネージャーは当然手荒れもひどくて、冬になるとカサカサになんねんて。

けど、まともに作業やってへんヤツは手がすべすべで荒れてすらおらんて。

そう言うてた時点で、多分伏見がサボり魔やってことを見抜いてたんやと思う。

同じ部活に所属しとる以上は、選手もそうやけどマネジメントするマネージャーも同様に疲れて達成感を味わってもらいたい。

サポートする側もされる側も、流した汗の分だけ強なれる、とか熱血漢みたいなことずーっと言っててん。

俺は最初、『何言うてんの村上君』とか思ってたけど、マネージャーが汗だくでコップ洗ったりタオル洗ったり、記録つけたりボール磨きしたりコーン出したりすんのを見て、『マネも俺らみたいに頑張ってんねんな』って感じてん。

ただ内申点欲しさや、村上君やすばる君目当てで入った伏見とは全然ちゃう。

そんなオンナに勝手にウワサ流されたからこそ、今頭ん中沸騰してるんや。

伏見「そんな…あたしはちゃんとマネージャーの仕事を…」

錦戸「ほな聞くけど、体育倉庫にあるサッカー部専用のボール何個あるか分かる?」

伏見「え……っと…」

錦戸「正解は26個。
次いで言うなら新しいのが11個、村上君の家から寄付されたのが4個。

常にボール磨いとるマネージャーなら、分かるはずやんな?」

伏見「い、今のは…咄嗟だったから、出てこなかっただけで…」

錦戸「じゃあウチの部員の中でベンチ入りしとるメンバーは? 分かるやろ?」

伏見「え、と…村上先輩と……」

錦戸「それしか分からんのやろ?

もう一つ言うとく。俺はお前の彼氏には絶対ならへんから」