アタシが苦手な野郎共【∞】弐 (ページ19)

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えー、皆さんおはようございます。

朝からイライラ絶好調の錦戸亮です。

俺は今、自分の教室におります。

なんでかっていうと、勝手に俺の彼女を名乗りやがった伏見リサを待っとるからです。

錦戸「ホンマなんなん。マジでなんなん……」

独り言うるさい? やかましい!!

俺は昨日のLINEからずっとイライラしてんねんぞ!!

結局、彼女発言を撤回してくれと言うたはええものの

LISAじゃあ、明日の朝教室で待っててくれる?

とか言いよったから待っとるんですよ。

俺偉い。めっちゃ偉い。

朝練サボってここおるもん。

せやのに、何?

なんで指定された7:30になってもこうへんの?

大体さぁ、俺の彼女はA先輩しか許してへんねん。

なんで好きでもあらへんオンナと勝手に噂されなアカンわけ?

どうせなら『想麻A×錦戸亮カップル誕生!!』とかいう校内新聞貼って欲しかった。

あ、でもそしたらA先輩に迷惑かかるか。

許可取りたいけど、あの人やったら『いやふざけんなよお前』とか言いそう…

あの冷たーい目で、

そんでひっくーい声で。

錦戸「………ふふっ」

Mって自覚あるもん、俺。

先輩にやったら何されてもええって思ってる。

蹴られる殴られるのバイオレンス系はちょっとアレやけど。

なんやろ、引っ張ってもらいたいんかな。

アネゴタイプ? なんかそんな感じすんねんもん、あの人。

せやから俺惹かれたんかなぁ

伏見「あ、錦戸君オハヨー」

錦戸「…………ん」

なに、そのスカート丈。

パンツ見えるやん。見せパンいうヤツ?

ワイシャツのボタンくらいちゃんと閉めろや。

それと下着透けてるし。

メイクも濃いし。何その真っ赤な唇。

俺、自然な色が好きやねん。

あと、なるべくリップとかグロスとかしてもらいたない。

ベタベタするやん。

伏見「ごめんねぇ、待った?」

錦戸「かなり待たされた」

伏見「もう、ごめんってばぁ」

錦戸「約束の時間になっても遅れてくるとかありえへん。ちゃっちゃと用件済ませたいねん」

伏見「なんでそんなに急いでるの?」

錦戸「村上君と、A先輩とこ行かなアカンから」

伏見「村上先輩は分かるけど…誰、A先輩って」

錦戸「俺の好きな人」

伏見「えっ…」

知らんかったんかいな、コイツ。

まぁ、そやろな。俺あんまクラスで先輩の名前出してへんし。

錦戸「そういうことやから、お前とはつき合えへん。

友達に言うた情報、アレ取り消してな」

伏見「……イヤ」