アタシが苦手な野郎共【∞】弐 (ページ16)

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村上登校ページ16

なんやかんや横山とワーギャーやってたら、朝練を終えた村上が教室に入ってきた。

あれ、なんかいつもと違う。

村上「朝から何をヤイヤイやってんねや」

横山「ヒナ、その頭…」

「おま、髪染めた?」

村上「ん? おぉ、よう分かったな」

昨日まで黒髪だったのに、なんか茶髪になってるし!!

しかもさり気なく似合ってるし。

え、なに。村上もイメチェンとかしたい年頃なの?

横山も茶髪だけどさ、いや若干黒と混じってるけどさ。

村上「気分転換と、イメチェンやな。いやー、初めて染めたわ。

想麻、どうや? これ」

「あー……悪くはないな。好きな方かも」

村上「ホンマか!! よっしゃ、ほんならずっとこれでいくわ」

横山「え、ヒナの茶はええん? 俺のは?」

「お前の茶髪はなんか外人っぽい」

横山「なんやねん、ソレ」

「噛み砕いて言えばロシア感増すな」

横山「るぉしあちゃうし!! れっきとした関西人や!!」

「るぉしあつったな今。それアレ? 現地の人だけ知ってる発音?」

村上「ロシア語は俺ら理解できひんからなー」

横山「お前ら俺をイジるのも大概にせえ!!」

面白いし。

横山ってイジりがいあるからイイ。

男としてはどうかと思うけど。

にしても…

村上「ヨコ、そろそろホンマに金パやってみたらどうや」

横山「なんで金? 茶でええわ」

村上「ロシア感増すからやんけ」

横山「日本人!! 俺日本人やから!!」

村上「え、ハーフちゃうん?」

横山「ちゃうわ!!」

いつも通りにも程がありすぎね?

いやどう変わるかとか期待してたわけじゃねーけど。

あんまりにも2人が普通だから、少し拍子抜け。

でもま、変わらないのが1番。

やっぱしアレは一時の気の迷いで気まぐれだったんだよ。

うんうん、そうだそうだ。アタシにはなんも関係ない。

やっぱさ、アタシより美人が好きなんだよ、男って。

ほら、今まさにこっちに向かってる永崎さんとかさ。

永崎「横山くんっ、村上くん、おはようっ」

横山「おー、永崎。おはよう」

村上「おはようさん」

横山「あれ、永崎香水変わった?」

永崎「あ、分かる? 昨日買ってみたの～」

ほら、アタシとなんら変わりない対応じゃねーか。

昨日のアレは幻想だ。幻なんだよ幻。

横山とも村上ともなんもな…

「……うん、なかった。何もなかったことにしよう」

ファースト奪われたとか、そんなんなかった。

夢で幻昨日は何もなかったうんよし。

横山「あ、想麻。あとでちょお話あるわ」

夢……だった、よな?