アタシが苦手な野郎共【∞】弐 (ページ14)

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僕とセンパイの出会い Y.S ページ14

僕はというと、初対面は5月。

バレーでケガしてもうて、保健室に行ったときたまたまおったのが珠ノ屋先輩。

綺麗な人やなぁ、スタイルええなぁ、なんて珠ノ屋先輩を見てたけど、その後に2人分の荷物を持って保健室に入ってきた先輩に、

いや、その声に惹かれた。

『アズ、行くぞ』

たったこれだけ。

低めで、ぶっきらぼうで、ちょっとハスキーな声。

一目惚れって言葉あるけど、僕の場合【一耳惚れ】。

それからというものの、その先輩が気になって気になって、情報通の友達に特徴を伝えて探してもろうた。

そして、横ちょに用事があって教室に行ったとき奇跡が起きた。

あの先輩が、おってん。

すぐに横ちょに名前を聞いて、何か仲良うなるキッカケがないかと詮索した。

そしたら、先輩がその時読んどった本が僕の持ってた本のシリーズモノで、スピンオフ作品やってことに気づいてん。

勇気を出して、『この本、面白いですよね』って話しかけたら、『知ってんの?』って返事されて。

あのとき聞いた声が、こんな間近で聴けるんやと思った瞬間からもう恋は始まってた。

それからはずっと名前と顔を覚えてもらうために2年生のクラスに通い続けて、ついにはクラスの皆さん全員にまで僕の存在が浸透した。

嬉しかったなぁ。行くたびに先輩が『またかよ』って呆れてため息つくのでさえ愛おしく思える。

その吐息くださいっ♪

てなんべん思ったことか。

安田「はっ、こんなことしとる場合ちゃう!!」

明日のコーデ決めな!!

なるべく校則に引っかからんやつ、ほんで先輩と並んでも違和感がないコーデ。

クローゼットを全開にして、手当り次第掴んでは体に当てて鏡の前でファッションショー。

大事やねんで、これ

今の季節、ちょっと暑なってきたから薄手のパーカーとかがええかな。

あ、雨降るかもって天気予報で言うてたかも。そしたらカーディガンかな。

そしたら先輩と相合傘…愛愛傘♡

安田「でもなぁ、ソースとかの匂いついてまうしなぁ…

あ、先輩もか♪」

でもお好み焼き屋さんだけやとなんか味気ないなぁ。

周りに雑貨屋さんとかあったかな?

あっ、スポーツ用品店!! そうでなくとも、リストバンド…

安田「あーーっ!! リストバンド、先輩とおソロで買ったろー♪」

『今日の記念に♪』言うて♡

ついでにプリクラ撮って♡

最後の1枚でちゅーぷりとか撮ったりして、告白したり♡

安田「はぁあーーん、最っ高♪ 」

デート楽しみやぁ♪

『章大、うるさい!!』