うだる暑さと、君の熱【竈門炭治郎】 (ページ18)

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　仲のいい2人に暗い感情が出そうな炭治郎は何とかそれを抑えてにこにこと笑みを浮かべているがその目は笑っていない。

　そんな炭治郎に気づいている善逸は、まるで宣戦布告するかのように煽るような笑みを炭治郎に向ける。

　そのやり取りにはAは気づかない。

　すると、炭治郎は膝元に置いてある手をぎゅっと握りしめて下を向く。

　炭「Aと善逸は随分仲がいいんだな！いい事だ！」

　下を向いたと思ったら今度は顔をうかべ笑顔を見せる炭治郎。すると、おもむろに横に座っているAの手を掴みそっと包むように手を繋いだ。

　それに驚いたAは、目を白黒させながらも炭治郎にしっかり目を合わせる。

　「ど、どうしたの竈門くん……。」

　炭治郎は表情を変えないまま少しAに顔を近づけてその問いかけに答える。

　竈「俺も……。俺もAと善逸のような、いやそれ以上に仲良くなりたいんだ。だから俺とも一緒に出かけたりしてくれないか？」

　善逸と伊之助を目の前に大胆なことをする炭治郎。いつぞやの怖い雰囲気がしばし出ているようにも見える。

　戸惑い、言葉が出ないA。その圧にプレッシャーを感じているのだろうか。

　竈「なあ、だめなのか？」

　1段、低くなった声。いつもの声から伝わる優しさがあるはずのにそれは別のものに変わっているような気もする。

　「全然、大丈夫だから…。恥ずかしいから手離して貰えると嬉しい。」

　頬を赤くそめ上擦った声で答えるAは、目の前でそのやり取りを見ている善逸からしたら乙女そのものだ。

　竈「そうか！ありがとう。嬉しいよ！」

　いきなり手を繋いで済まなかったと謝る炭治郎に善逸が割り込んでくる。

　我「もうー、ほんと周りに人いるんだからやめてよね！とんでもねぇ炭治郎だよ、まったく！」

　いつもの感じでそう話しかける善逸は先程の炭治郎同様、目が笑っていなかった。

　伊「だあああ！もういいから早く頼もうぜ！」

　我慢の限界が来た伊之助にそう言われ、炭治郎が答える。

　竈「そうだな！すまない時間を取ってしまって。早速頼もう。」

　と、いつも通りの雰囲気に戻ったのだった。

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　このメンツで集まるのは、危ないのかもしれないと薄々危機を感じているAを横目にその日の勉強会はご飯を食べて幕を閉じた。