うだる暑さと、君の熱【竈門炭治郎】 (ページ16)

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　善逸side

　伊之助にまともな事を言われて、苦渋の決断をし炭治郎に教えることを譲った。

　本当は、炭治郎に譲りたくなんかなかったんだ。別に、Aのことを異性として好きな訳では無いが大切な子なんだ。

　あんなに優しい音をさせて、今にも崩れちゃいそうな音をさせて心の声を叫んでくれたAを守りたいと思ったんだ。

　だから、さっきだってAが困るだろうから俺が教えようと思ったけど……。

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　我「嬉しそうな音させちゃってさ……。なんだよ」

　そう、聞こえるか聞こえないかの声量で不貞腐れた顔をする俺に気づかないAに、少しだけイラッとしたのは心に留めておく。

　炭治郎には匂いでバレてる気がするが……。

　嘴「紋逸！腹が減ったぞ！」

　伊之助は通常運転のようで恨めしくも思うが。何も事情を知らないのだからしょうがない

　我「そんな事言われても俺はなんも出せないぞー？」

　少し呆れながらも、伊之助に言われたことを軽く受け流す。

　竈「確かに、もうお昼時だな」

　そう俺たちは休日に集まったので、学校の時のようにお弁当は持ってきていない。

　「皆でどこか食べに行く？」

　Aも、気疲れをしたのか心做しか休憩ができることに喜んでいる。音を聞かずとも顔に出ているくらいにはだ。

　竈「そうだな！そうしよう。」

　炭治郎は、休日にAといれることが嬉しいらしく今日はずっと嬉しそうな音をさせている。たまに怖いけど。

　「我妻くんも、それでいい？」

　伊之助が早く行こうぜと叫ぶのを横目に確認をとってくれる優しいAに答える。

　我「うん、大丈夫だよ。」

　我妻くん……か。

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　炭治郎より先に、なまえで呼んでもらうようにしようかな。なんて。