三つ巴の悲劇 40 ページ8
声の主を見上げたクロームは、思わず目を見開いた。
(雨の人に晴れの人!?何でわざわざ……)
リボーンから、守護者同士の不要な対面は避けるように言われている。その上、山本も了平も、クロームだって、嘘がつけないタチなのだ。いつ灰原に感づかれるかわからない。
「にーちゃん達も帝丹高校に転入すんのか？」
「おう！けど、場所忘れちまってさー……お前ら、知ってるか？」
「うん！歩美達の学校の近くだよ！」
「じゃ、僕らと一緒に行きましょう！近くまで行ったら他の生徒も登校してますから！」
山本と、楽しそうに話す三人を何となく見ないようにしていたクロームだったが、光彦の提案を聞いてギョッとした。
これで話しかけでもしたら、きっと自分はボロを出す。そう悟ったクロームは、慌てて灰原の近くに肩を並べた。
「凪？……まさか、恥ずかしいの？」
再び縮こまり出したクロームに、灰原は呆れ返る。ウンウンと小刻みに頷くクロームは、前の五人の視界から外れようとした。が。
「なぁなぁ、さっき聞こえたんだけどさ……
もしかしてその青い髪の子、俺らと同じ転校生か？」
「もしや、イタリアから来日した子供というのはお前の事か？」
(何で今話しかけるの二人共ぉーーーっっ!!!)
予想外の展開に、頭が真っ白になるクローム。らしくもなく、派手なツッコミまでしてしまう。
対して、隣にいた灰原は、まるで凪を知っているかのような口ぶりに疑惑を募らせていた。
「そうよ。けどあなた達、どうして彼女を知ってるの？」
「あーいや、知ってるというか、なんというかぁ……」
灰原の厳しい口調に、しどろもどろになる了平。だが山本は足を止めると、クロームに何かを差し出した。見たところ、手紙のようだ。
「何ですか？それ……」
「いやー、さっきさぁ、でっかい外車に乗った青い髪のおっさんに頼まれたんだよ。昨日日本に来たばかりの娘に渡してくれって。それが、帝丹小に転校する六歳……らしいんだけど」
お前で合ってるか？と尋ねながら差し出された紙。クロームが受け取ると、了平が安心したように息を吐く。その瞬間、クロームにはわかってしまった。
「良かったな、にーちゃん。ちゃんと渡せて！」
「郵便屋さん成功だね！」
「タイミングばっちりだぜー！」
何やらハイタッチをして喜ぶ小学生と高校生を尻目に、灰原はなんだか煮え切らない思いでいた。隣を歩く凪の表情が、とても強張っていたからーー。
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三崎 - こちらの作品も、パスを忘れたのでそのままにするつもりです。今は大変な時期ですが、二次元パワーで現実を乗り切りましょう！ (2020年4月22日 16時) (
レス) id: 070c92fbe6 (このIDを非表示/違反報告)
三崎 - 今は「しま」という名前で、うらみちお兄さんやら携帯獣のクロスオーバーやらpixiv投稿をしています。この三つ巴の悲劇も、もし読んでくださる方がいるなら手直ししてupしたいとも考えています。 (2020年4月22日 16時) (レス) id: 070c92fbe6 (このIDを非表示/違反報告)
三崎 - 現在、サイトの再開に向けて物語を進めたり（進んでない）新しい沼を探したりなどしています。もしこの場所を訪れてくださる方がまたいれば、ぜひご一報ください！ (2020年4月22日 16時) (レス) id: 070c92fbe6 (このIDを非表示/違反報告)
三崎 - どうも、作者です。しばらく夢と創作から身を引いていたのですが、このたび大学進学もきまり、ぼちぼち趣味を再開しています。投稿を終えてからもこんなにたくさんの方々に見ていただけて、うれしい限りです。 (2020年4月22日 16時) (レス) id: 070c92fbe6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 続きを楽しみにしてます！これからも無理せずに頑張ってください！ (2019年9月16日 20時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三崎 | 作成日時：2015年7月2日 12時
