三つ巴の悲劇 35 ページ3
イタリア、ボンゴレ本部。
執務室には、重い空気が漂っていた。
「山本か？ああ、俺だ……」
疲れた声で山本に連絡をとるリボーンを眺めながら、ディーノはしょぼついた目をこすった。
時刻は午前零時をとうに回っていた。こんなに真面目に仕事をしたのは久しぶりだ、とディーノは頭を抱える。
「……ボンゴレノーノ、少しは休んだらどうだ？体に関わるぞ」
同じく、ずっとパソコンの前に座る九代目を見かねたのか、ディーノは口を開いた。そんなディーノを一瞥すらせず、ディスプレイを凝視する。
「……我々の不始末で、同盟ファミリーの裏切りが発生したのだ。おまけに、狙いはまだ若い綱吉君達と来た。静観してはおれんよ」
そして、ゆったりと顔を上げると、うな垂れたディーノを励ますように言った。
「大丈夫。雲の守護者は、私を縛り付けていたゴーラモスカを一撃で倒すような強者だ。それに、君も言っていただろう。あのデスヒーターを受けても尚、その信念は折れなかった。
何より彼は、君の一番弟子だ。気を落とすより、他の守護者が二の舞にならぬよう手を尽くすのが良策と思うがね」
今回、予想だにしていなかった事件に、キャバッローネとボンゴレの共同戦線が張られたのは、つい先刻からである。
鈴木相談役の、雲雀が攫われたという連絡は、敵対ファミリーの明らかな宣戦布告を示していた。
(畜生っ……)
一向に掴めない情報に、唇を噛んだ。攻撃を仕掛けているのが、同盟内のネーロファミリーであるとわかったまでは良かった。だが、
(本部は人が出払っていて、完全に廃墟……ファミリー全体で日本に行ったか？)
肝心のネーロの巣はもぬけの殻。ただ一つ残されていたのが、彼らの生み出した新薬の成果のみ。その証拠映像が、ディーノの心配を増幅させる。
地下室で、並べられた者が四人。年も性別もバラバラだったが、ただ一つ、共通点があった。……新薬の実験材料であったということだ。
目には光がなく、体中から力が抜けている。まるで屍のようだ。だが、試しに近づいたディーノの部下は、一瞬で身を引いた。
視界にモノを入れた瞬間、彼らは拳を振るった。ためらうことなく足を跳ね上げ、唸りをあげながら、その目をギラつかせた。
その映像に、ディーノは呼吸のせばまる思いがした。間違いなかった。ネーロが作ったのは、人を廃人とし、殺人兵器にする劇薬。
そして、それこそがーー雲雀恭弥に投与されたブツであると。
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三崎 - こちらの作品も、パスを忘れたのでそのままにするつもりです。今は大変な時期ですが、二次元パワーで現実を乗り切りましょう！ (2020年4月22日 16時) (
レス) id: 070c92fbe6 (このIDを非表示/違反報告)
三崎 - 今は「しま」という名前で、うらみちお兄さんやら携帯獣のクロスオーバーやらpixiv投稿をしています。この三つ巴の悲劇も、もし読んでくださる方がいるなら手直ししてupしたいとも考えています。 (2020年4月22日 16時) (レス) id: 070c92fbe6 (このIDを非表示/違反報告)
三崎 - 現在、サイトの再開に向けて物語を進めたり（進んでない）新しい沼を探したりなどしています。もしこの場所を訪れてくださる方がまたいれば、ぜひご一報ください！ (2020年4月22日 16時) (レス) id: 070c92fbe6 (このIDを非表示/違反報告)
三崎 - どうも、作者です。しばらく夢と創作から身を引いていたのですが、このたび大学進学もきまり、ぼちぼち趣味を再開しています。投稿を終えてからもこんなにたくさんの方々に見ていただけて、うれしい限りです。 (2020年4月22日 16時) (レス) id: 070c92fbe6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 続きを楽しみにしてます！これからも無理せずに頑張ってください！ (2019年9月16日 20時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三崎 | 作成日時：2015年7月2日 12時
