三つ巴の悲劇 49 ページ17
「今日、俺が警視庁に行っていたのは、この犯行予告を受け取るためだった。
警察側も最初は偽物の悪ふざけと思っていたらしい。すぐさま本物のキッドが否定するに違いないと思ったんだとよ」
頬杖をついた小五郎が、紙に視線を落としたまましゃべりだした。聞いている綱吉だって、未だにこの予告が本物とは思えない。
新聞やニュースで見た限りでは、彼は決して強引な手を使わずに行う、プライド高いマジシャンだと思われたから。
「だが、今朝までに五件。念押しと、自分は本物のキッドだという確認が届いているらしい。……この事件は基本、メディアには非公開だ。本物のキッドからと考えるのが自然だな」
さらに犯行予告を決定的な物にする言葉に、綱吉の表情が凍りつく。まさか、そんな馬鹿な。ひやりと背中に冷たいものを感じた時、しばらく考え込んでいたコナンが口を開いた。
「沢田さんは、他に狙われるようなアテはない？ほら、マフィア絡みで」
「そんなのあるわけなっーー」
全否定しようとした綱吉。だが、その言葉は途中で止まる。
「……あるよ。結構」
これまでのことを思い返しながら、綱吉は頷いた。ボンゴレは、六道骸やヴァリアーの襲撃に遭っているのだ。他のマフィアからの刺客が現れ出すのも不思議じゃない。
「それなら僕も納得がいく。考えられる可能性はふたつ。怪盗キッドが、沢田さんの敵と手を結んだ可能性。もうひとつはーー」
「キッドが、その犯罪組織に囚われている可能性、だろうな」
小五郎達の推測を聞きながら、綱吉は改めて予告状を読み直す。そして、ふと疑問を口に出した。
「どうして、わざわざ時間を書いてるんだろう」
その呟きに、コナンはそっとブラインドへ目を向ける。そういえば、と綱吉は思い出す。この予告状を見た直後、コナンがまるで視線を隠すようにブラインドを下げだしたことを。そして、気づいた。
「まさか……」
「すでに、その犯罪組織は突き止めてるんじゃないかな。沢田さんが、この事務所に潜伏していることに」
コナンはそのまま、真っ直ぐと綱吉の目を見て続けた。
「沢田綱吉を殺す準備は整っている。そして、自分達は手を汚さず、キッドに殺させるって意志を……示そうとしてるんだ」
今度こそ、事務所が完全に沈黙した。この場所に籠城することしか叶わない。そう結論付けられた空気の中、小五郎の携帯が鳴る。
「ーー沢田綱吉暗殺をもくろむ奴を見つけた、だと？」
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三崎 - こちらの作品も、パスを忘れたのでそのままにするつもりです。今は大変な時期ですが、二次元パワーで現実を乗り切りましょう！ (2020年4月22日 16時) (
レス) id: 070c92fbe6 (このIDを非表示/違反報告)
三崎 - 今は「しま」という名前で、うらみちお兄さんやら携帯獣のクロスオーバーやらpixiv投稿をしています。この三つ巴の悲劇も、もし読んでくださる方がいるなら手直ししてupしたいとも考えています。 (2020年4月22日 16時) (レス) id: 070c92fbe6 (このIDを非表示/違反報告)
三崎 - 現在、サイトの再開に向けて物語を進めたり（進んでない）新しい沼を探したりなどしています。もしこの場所を訪れてくださる方がまたいれば、ぜひご一報ください！ (2020年4月22日 16時) (レス) id: 070c92fbe6 (このIDを非表示/違反報告)
三崎 - どうも、作者です。しばらく夢と創作から身を引いていたのですが、このたび大学進学もきまり、ぼちぼち趣味を再開しています。投稿を終えてからもこんなにたくさんの方々に見ていただけて、うれしい限りです。 (2020年4月22日 16時) (レス) id: 070c92fbe6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 続きを楽しみにしてます！これからも無理せずに頑張ってください！ (2019年9月16日 20時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三崎 | 作成日時：2015年7月2日 12時
