三つ巴の悲劇 43 ページ11
さて、そんな二人の悩みの種はといえばーー、
「美味しい……」
「そ。よかったね」
コナンと共に遅い朝食をとりながら、だらしなく顔を緩ませていた。口に運ぶ度にとろけるようなオムレツの食感に、すっかりご満悦の綱吉。その様子を見ながら、コナンは黙々と食事を進めた。
(……一緒にいればいるほど、緊張感が削られていく気がする)
本当なら学校に行くべきだが、この綱吉の動向を監視するため、一足先に夏休みへ洒落込んだコナン。中森警部から呼び出しをうけて、朝早く出かけた小五郎のこともあった。だが、
「あれ？コナン君、もう食べないの？もしかして低血圧？」
「……あげないよ」
(監視の必要性が皆無な気がしてきた……)
蘭お手製の朝食を頬張り、自分の朝食に手を伸ばそうとする綱吉に、早くもコナンの威勢は削がれてきている。黒の組織のいる裏社会に関わりのあるマフィア。その意識が強すぎて、どうにも神経質になっているらしい。
(沢田さんは携帯とか持ってないっぽいし、あの雲雀っていう奴と接触するのは不可能……事務所内の盗聴器、外すか？)
綱吉はとっくにオムレツを食べ終えたらしく、あくびをしながらテレビのチャンネルを回している。肩透かしをくらった気分で、コナンはオムレツをぐちゃぐちゃにかき混ぜた。
(….…もう大丈夫、かな？)
綱吉は、適当につけた朝ドラを見ながら、スプーンを動かすコナンを流し見た。超直感の唸りは息をひそめている。よかった。ダメツナを強調させた効果は大きいみたいだ。
コナンと目を合わせたり、そばに寄ったりする度感じた緊張。その正体がコナンの警戒心だと気付いた綱吉は、それを解くため、さらに間抜けな自分を演じていた。
(コナン君と蘭さんのいない状態で、小五郎さんの目を盗んで、溜め込まれた捜査資料から手がかりを探すつもりだったけど……)
並盛の夏休みが、ここ米花町より早かったのは幸いだとばかり思っていたが。綱吉は肩を落としながら、つまらなそうにテレビを観ているコナンを一瞥する。見込みは無いようだ。
(……でも、逆に良かったのかもな。正直、泥棒みたいな真似、したくなかったし)
安心する自分を見たら、あの家庭教師はまた蹴り上げてくるのだろうなぁと、綱吉は苦笑する。
「どうかしたの？」
「ううん、一足先に休んじゃって、役得だなぁって」
皆、どうしてるかなぁと続いたボヤキは、コナンの耳には届かなかった。
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三崎 - こちらの作品も、パスを忘れたのでそのままにするつもりです。今は大変な時期ですが、二次元パワーで現実を乗り切りましょう！ (2020年4月22日 16時) (
レス) id: 070c92fbe6 (このIDを非表示/違反報告)
三崎 - 今は「しま」という名前で、うらみちお兄さんやら携帯獣のクロスオーバーやらpixiv投稿をしています。この三つ巴の悲劇も、もし読んでくださる方がいるなら手直ししてupしたいとも考えています。 (2020年4月22日 16時) (レス) id: 070c92fbe6 (このIDを非表示/違反報告)
三崎 - 現在、サイトの再開に向けて物語を進めたり（進んでない）新しい沼を探したりなどしています。もしこの場所を訪れてくださる方がまたいれば、ぜひご一報ください！ (2020年4月22日 16時) (レス) id: 070c92fbe6 (このIDを非表示/違反報告)
三崎 - どうも、作者です。しばらく夢と創作から身を引いていたのですが、このたび大学進学もきまり、ぼちぼち趣味を再開しています。投稿を終えてからもこんなにたくさんの方々に見ていただけて、うれしい限りです。 (2020年4月22日 16時) (レス) id: 070c92fbe6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 続きを楽しみにしてます！これからも無理せずに頑張ってください！ (2019年9月16日 20時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三崎 | 作成日時：2015年7月2日 12時
