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私たちはロッジへ戻って話を聞いていた
武藤「冬美の息子の冬馬は、8年前のある朝、元の村からほど近い崖下の沢へ転落して、気を失っているところを発見されたんです…すぐに冬馬はふもとの病院に運ばれ、一命はとりとめたんですが…その日以来、意識が戻らないまま8年が…」
蘭・園「8年!?」
武藤「その日はちょうど山尾がひき逃げ事故を起こした日で…」
コ「「!?」」
「…同じ日なの?」
武藤「ああ…のんびりとした平和そのものの村で、同じ日に2つの事件が起きたんで…村中大騒ぎだったんだ…」
小五郎「冬馬くんのほうの事件性は?」
武藤「警察の調べで事故と判断されました…その崖は、冬馬の好きな白鳥のいる湖の近くで…発見当時、首から双眼鏡を下げていたことから、誤って滑り落ちたものと…見つけてくれたのは、冬馬が可愛がっていた隣の家の犬でした…」
博士「その時、冬美さんとご主人は?」
武藤「彼女は未婚の母なんです…冬美は当時勤務していたふもとの病院に急患が入ったとかで呼ばれて…」
園「おじいちゃんやおばあちゃんはいないんですか?」
武藤「冬美の両親は昔、雪崩に遭って…」
園「…えっ!?亡くなったんですか?」
武藤「発見されたのが雪崩に遭った30分後で…もう15分早ければ助かったかも知れないって…」
博士「雪崩に巻き込まれた場合、タイムリミットは約15分と言うからな…」
15分…
光「15分ですか…」
博士「その15分が生死を分けるんじゃ…」
歩「15分じゃ短いね…」
「そうだね…」
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作者名:雪音 | 作成日時:2013年12月22日 19時