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「どうか私から皆様を奪わないでください」
Aちゃんは顔を下に向け か細い声で俺に向かいそう言った
俺は話してはいないが考えている雰囲気や表情からなんとなくAちゃんは感じ取ったのだろう
「Aちゃんはさ……普通に生きてみたいと思わないの？」
「普通……」
Aちゃんはそう呟き下に向けていた顔をより下に向けた
幼い頃から普通とはかけ離れた生活をずっとしていたから本当の普通が分からないのだろう……
それを教える人がAちゃんの周りに1人は必要だった
だが……神様は意地悪でAちゃんの周りに本当の普通の生き方を教える人は誰一人現れていない
ならば、俺がAちゃんに普通を今 教えよう
「そう……普通…Aちゃんも本当は分かっているんじゃないかな？ 本当にこれでいいのかなって……」
俺がそう言うと下に向けていた顔をAちゃんは少し上にあげた……
落ちている髪の隙間から見えた目はどうしたらいいか分からないという様な苦しんでいる目をしていた
その時、携帯電話の電子音がなり始めた……
Aちゃんが携帯電話を鞄からとると電子音が大きくなった
Aちゃんは携帯電話を見ると少し目を開き鞄も手に取って立ち上がる
俺の方を向きAちゃんは少し礼をする
「お話を聞いて下さりありがとうございました…ですが今後はこのようなことがないようお願い致します…
では私は急用が出来ましたので失礼します……うちのものに案内させますので裏口から出て大通りに行ってください……」
「えっ！Aちゃん！？ｯ……」
俺が呼び止める前にAちゃんは出ていってしまった
Aちゃんが出ていってから少ししてAちゃんが言ったとおり店員が入ってきて案内されて 裏口から大通りに出た
とりあえず家に帰ろう
―――――――武道side終
-Aside
Vipルームから出て携帯電話にきていた通知に触れて連絡がきていた九井様にかけ直す
するとワンコール目で九井様は出た
「九井様……どうされましたか？」
『あぁ……少しいつもより遅かったから心配になってなぁ』
「そうですか……ご心配をおかけして申し訳ございません」
『いや……無事ならいいんだ…A しんどいかもしれないが今から三途と一緒に裏切り者を排除してきてくれないか』
「分かりました」
『korunの前に車停めてあるからそこに行け…そうすると三途が車に乗ってる』
「はい…」
『じゃあ また後でな』
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作者名：NOAH | 作成日時：2021年11月2日 1時
