ここで息をして [ハイキュー] (ページ1)

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The breath, the beginning ページ1

「行ってきます」誰もいない家にそう声を発し家を出るのは今日から烏野高校一年になる白川
A

通学路を通ると自分と同じ制服を着ている子達が沢山いた

その中に彼奴がいないかを探す
だが彼奴らしき人影は無いため少しほっとした
校門に着くと満開の桜が自分を招き入れた

一年校舎の前にある紙を見、自分の名前が何処にあるか探す

-見つけた

一年四組進学コースのクラスに自分の名前はあった
自分のクラスに向かう

クラスに入って直ぐ黒板に書かれた自分の席に座り仲が良い子がいないから

家から持ってきた本を読むことにした

〖シンデレラ〗グリム童話でも一番有名な本である

ずっと読んでいたため少しボロボロだ

隣人の八百屋さんのおじさんの手伝いを小さい頃からさせてもらって小学五年生の時におじさんが「いつもありがとうなぁ」と言ってお礼にと渡してくれたのだ

生憎、僕の家は生活費だけで手がいっぱいで教科書以外の本はあまり知らなかったから凄く気に入っている

最近のおじさんは僕も大きくなったからと野菜を分けてくれたり給料をくれるようになった
本当にありがたい

本を読み進めて三十ページを過ぎたくらいに教室に先生が入ってきた

本の上を少し折り印をつけると鞄の中に本を戻す

「皆さんおはようございます。今から体育館に向かいますので廊下に並んで先生の後に着いてきてください」

そう言い先生は教室から出る。それと同時に他のクラスメイト達も立ち上がり廊下に向かっている為
僕も席を立ち廊下に出て自分の前の主席番号で佐藤君の後ろに立ち体育館に向かった

校長先生の長い話がかれこれ十分ぐらい続いている

眠い…凄く睡魔に襲われている

校長先生の話が終わったかと思えば次は教頭先生の話が始まる

思わず僕は吐息をもらし眠りそうになっていた

すると急に肩をとんとんとたたかれ目を何とかしてあけて左を見ると

クラスメイトの山口君が口パクで「もう少しだから頑張ろう」と言っていた

僕は確かに初日早々、全校集会中に眠って先生に注意をされてしまうのは嫌なため起きることにした

さっき起こしてくれた山口君に対し僕も口パクで「起こしてくれてありがとう」と返した

僕はそれから眠らないように少し右手で左腕を抓ってみたりした

全校集会が終わりクラスに戻るとすぐに休み時間になり僕はお礼を改めて言おうと山口君に
もう一回会いに行くことにした

すると山口君の横にはクラスメイトの月島君が立っていた