Prolog ページ2
昭和元年 12月 25日
今日は昭和天皇の即位式が行われ元号も大正から昭和へと代わり日本はどこもかしこもお祭りだった
そんな中東京都豊島区にある夏目家でも大きい門に日本の旗と日本軍の旗を掛け天皇の即位を祝っていた
そんな時 前当主の夏目漱石は孫の夏目Aを連れて呪術師だけが集まるパーティーに来ていた
色々な者に声をかけられ夏目漱石は一人一人に対し礼儀を忘れずしかし少し急ぐようにしある所に向かう。Aはその三歩後ろにたち夏目漱石の後ろをついて行く
そのようなAの行動に皆が口々に「礼儀がなっている。流石夏目家の当主様だ。」と話をしていた
そして夏目漱石はバルコニーに着くと急いでいた歩みを止める
そこには上等な蝶模様の着物を来た男が立っていた
その男は夏目漱石を見ると愉快なステップをしながら夏目漱石とAの前に来る
「久しぶりだな。漱石！
おっAも居たのか、また大きくなったな」
と言い男は
夏目漱石は細めていた目を開き男を見ると少し溜息を吐く
Aは「治さん！お久しぶりでございます」と言い男に歩み寄る
男は歩み寄ったAに対し頭を優しい手つきで撫でる
そう、この男こそお伽草子や人間失格と言った数々の有名な作品を生み出した太宰治である
太宰治も夏目漱石と一緒に特級呪術師として呪術界を支える一人である
またAからすれば小さい頃から一緒にいる為叔父様のような存在である
漱石はAの方に身体を向け優しく微笑みながら言う
「A、治と大事な話がある為此処で待っていてくれないかい。」
Aは一人でこの広いところで待つのは少し抵抗があった為 顔が苦い表情になる
漱石はAの感情を汲み取ったのかAを安心させるように手を頭に置いてやる
「大丈夫だ。少しの間だ直ぐ戻ってくる」
Aはさっきまでの苦い表情が嘘だったかのように目がきらきらと輝いていた
やはりこう見ると大人びているがまだ子供の様な所があると漱石と治はそう思った
「じゃあ行ってくるよ」
漱石は後ろを向き別の場所に移る
Aは寂しさを紛らわす為にバルコニーの柵に身体を大きくだし外を見ていた
すると下に猫がいるのに気づくAは猫がまるで自分を呼んでいるかのようにこちらをずっと見ているので漱石の言い付を破り下に降りて猫に近ずき触れようとした
すると目がくらみ真っ白な世界がAを覆う
Aが次に目を開けると目隠しをした男の膝に対面する状態でAは座っていた
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作者名：NOAH | 作成日時：2021年8月5日 5時
