愛娘 [ツイステ] (ページ4)

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third-[拗ねるマレウス君] ページ4

鏡の間から暫くするとディアソムニア寮に着いた。
門をくぐり寮の中に入っていく。するとリリアさんの姿が見えた。

「リリアさん、もう式典始まってしまいますよ。」

「Aか。そうなのじゃが…今回もマレウスにだけ知らせが届いておらんでな。わしだけが行ってはまた拗ねてしまうと思ってな。だからマレウスを探しておるのじゃが…なかなか見つからんでな…」

「では、マレウスくんを探すのはこの私にお任せ下さい！必ずやマレウスくんを式典が終わる前に連れて行きますから！
だから、リリアさんは先に行っていてください」

「Aがそう言うのなら…頼むとしよう。マレウスもそこまで遠くには行ってないと思うのじゃがな…」

「分かりました。まずは隅々まで近場を探してまいります」

「頼んだぞ。」

そう言うとリリアさんは一瞬で"パッ"と消えていった。
私はその後リリアさんの言う通りに近場を色々と回り隅々まで探したが、もう既に20分経っているのにマレウスくんが見つからず苦戦していた…
そろそろ私の体力も限界で一旦応接間のソファにお邪魔して座らしてもらい休んでいると…急に寮の応接間に繋がる扉が開く。

「A…何故ここにいる？」

そこには私がずっと探していたマレウスくんが立っていた。

「あっ！マレウスくん探したんですよ！」

「僕を？」

「はい！それはとても長いこと歩き回りましたよ。」

「それはすまない。……ところでAリリアや寮生らが1人も見当たらないのだが今日は何かあるのか？」

「実はね、今日が式典の日でマレウスくんに知らせが届いてなかったみたいなの。リリアさんはマレウスくんを探してたのだけれど…式典に遅れても困るから私がマレウスくんを探して連れてくるのを引き受けてきたの。」

「そうだったのか…また僕のところには知らせが…」

分かりやすくマレウスくんの周りにはどよどよとしたオーラが漂いディアソムニア寮の周りだけ黒い雲に包まれ翠色の雷に打たれていた。

「マレウスくん…大丈夫だよ。マレウスくんが凄すぎて皆どうやって接したらいいのかがまだ分からないだけだと思うよ。」

「そうなのか。」

「そうそう。だからね、まだ今からなら間に合うから私と行こう？」

「そうしよう。だが僕は式典服ではない。自室で着替えてくる為少しの間待ってはくれないだろうか？」

「もちろんいいよ！じゃあ私は寮から出て待っとくね。」

マレウスくんは1度頷いてから自室に戻るために応接間を出ていった。