【あたしンち】おれンち俺はまた君に恋をする (ページ28)

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28.ちょっと大人の階段ページ28

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ピラっとアンカーのナマエがめくった紙に書いてあった内容。

《天然パーマ》

『天然パーマ？？』
それはもうゆずにお願いするしかない！！

『ユズ！お願い来て！』｢え、うわぁっ！｣
観覧席にいたゆずの手を引っ張って立たせ別々にゴールへと走る。このまま行けば1位は確実である。
｢ナマエ！｣

がしかし、タイミングの悪い事にナマエは全校生徒の前、何かにつまづき手を伸ばしたユズも間に合わず盛大に転けてしまいｽﾞｻﾞｻﾞｯとかなり痛そうに地面に滑り転ぶ。

『っ〜〜〜』
人生で1番と言っていいほど盛大に転けたため痛みで声も出ないがユズの手を借りながらなんとかゆっくり立ち上がる。でもとてもじゃないが走れそうには無く、膝から血がたらっと流れる。瞬間ユズが叫んだ。

｢う…わぁあぁあぁわー！！！！保健室いくぞー!!!!｣
『きゃっ！や、ゆず！重いよ?!』

｢うるせぇえいくぞー!!川島藤野代わりに表彰台乗れー！｣

｢まかせろー！気をつけてなユズピー｣
｢友達おもいな藤野くんも素敵ー!! ナマエちゃん気をつけてねー！！｣

《2年2組借り物天然パーマでゴール！！！おんぶでゴールなんて羨ましいぜー！！！おっ！2位は……》

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『ぁ、ありがとう、ユズ…』

保健室にナマエを運びこんだものの少し席を外しています。の紙が貼られていた保健室にはやはり先生どころが誰もおらず外からは本来ナマエが踊るはずだった腰振りダンスの音楽が聞こえてきていた。

『間に合わなかったね。ごめんね』
｢別にそんなんどうでもいいよ。それより怪我痛くない？｣

『あ、ちょっとまだ痛いけど、平気。』

手当してくれてありがとう。と笑ったナマエはベッドに腰かけユズから手当を受けていた。保健室といえどベッドに好きな人といるというのはなんかちょっとドキドキしてしまう…
『(変なこと考えちゃダメっっ恥ずかしぃ)』

耳がぶわっと熱くなり両手顔を隠すナマエになにやってんのナマエ。とユズが声をかけてきたのでナンデモナイデスと機械のように返事を返す。

｢もしかして、緊張してんの？｣
『っ』
グイッと顔を近づけてきたユズは意地悪に笑っていて、男性の顔をしている気がした。
『(前のユズってもっと照れ屋だった気がするけど、いつの間にかすごく大人の人になってる…)ちょっとだけ…』

へぇ？と答えたユズをチラッと横目で見るとなんだが瞳の奥に熱が籠ってるような気がした。