いつのまにか悪女になってた【歌い手】

31話 ページ32

「おいしー」
「うま」

はぁ、ちゃんと奢りましたけどね、お二方は購買に売ってる物の中でも一番高いの食べてるんですよ。でね?私は、購買に売ってる物の中でも一番安いのを買ったんですよ。
是非誰か嘘だと言ってください。

「一ノ瀬先輩、朝はすみませんでした。」
「いいのいいの、全然。てか、俺男でしかも年上なのに後輩の女の子に奢られるとかかっこ悪すぎだから。はい、これ、さっきの代金分。」
「え」
「僕も最初からそんなつもりなかったですからね?あわよくば奢られたいとか思ってたわけじゃないこともないこともないですけど、これ、僕のぶんと、Aさんのぶんの代金です」

え??お二方って、もしかして、神様?

「あ、ありがとうございます。」
「96猫とご飯食べるんでしょ?」
「あ、そうでした。それでは、失礼します。」
「はーい」

私は二人に礼をして、くろちゃんのとこに向かった。
くろちゃんは、弁当をもぐもぐ食べてるんだよ、いつも通り。
でもね?そのお隣にね、男の人が座ってるんですよ。
一体誰なんでしょうか、あの人。

「お、来た！まーしぃ、この子が歌い手名やで！」
「え」
「え、ほんとだったん！？」
「あ、え」

どういう状況、え、どういう状況

「A、この人はまーしぃ。ほら、うらたんとさかたんと同じグループの浦島坂田船のメンバー」
「ああ、志麻さんか！」
「え、知られてる…てか足綺麗…」
「あ、足?」

足綺麗?ほめられたわーい?

「ショートにする気はないですかね?」
「全く」

ショートとか美人しか似合わねぇよふざけんな。

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