【男性声優】せ.い.ゆ.うさん

鋭い目 ページ3

お疲れ様、と入れ違いに健児さんが入ってくる。

なぜ名前呼び名のかというと、兄さんと区別をつけるため。



椅子に座ると、机の上にあったお菓子をパクパク食べている。


どう？、とチョコを差し出されて、隣の椅子に座らせてもらい頂く。









健児「Aちゃんさ、梅ちゃんとなんかあった？？」

「ぶっ！！………何ですか、急に！」









口のなかにあったチョコが噎せて、変な声が出る。

約数分前のことを思いだし、顔に熱が集まる。

冗談といっていたが、ちょっと気にしている自分がいる。









健児「だってさ、梅ちゃんとすれ違ったときちょっと顔赤かったし、Aちゃんも何かよそよそしいし。」

「何もなかった訳じゃないですけど………。」









でもさ、と言葉を続ける健児さん。

さっきまでのほあほあした雰囲気とは違い、獲物を狙ったのような鋭い目。




そんな視線に気を取られていたら、下ろしていた髪をさらりと上げられる。

指先が少し首筋に当たって、くすぐったい。









健児「………キスマークつけられるほど隙まみれだったのかな。」









はっ、と気づいてパッと首筋をおさえる。



_____思い出すのは数日前の津田さんとのやり取り。

あれは空気にのみこまれて、気を抜いていた自分が悪い。

あとから鏡を見ながら、後悔の渦にのまれていた。

強く吸われたのか、なかなか消えないこの跡。





襟から少し見えてしまうから、下ろした髪の毛で隠していたのに………。

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