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side.sgi
「おーい、Aー。生きてるかー？」
「もう無理…。のめましぇん…。勘弁して…。」
「おうおう、勘弁してやるから帰るぞ。」
久しぶりに飲みまくった。あの外国人許すまじ。
飲ませるのはいい。ただ俺がいない時にこうなってたらと思う。
何気に腰に手を回してたし、英語が話せるからとスキンシップがとにかく多かった。…絶対潰して持ち帰るつもりだったろ。まぁ、マスターがいるからそれは無いけどな。
Aは自覚が無いがさすが社長秘書なだけある。
見た目はもちろんスタイルもいいし、頭の回転だって速い。話も面白いし、気は効き過ぎるほどだ。
…そんなAに俺はぶっちゃけ恋をしている。
京女はなんとかというがそんなの気にならない。
同じ出身地で同じ歳。
共通点が多いから自然と仲良くなった。
今では大学のやつや、会社のやつより飲んでるかもしれない。
「じゃあ、駿貴あとは任せたぞ。あとさっきの話Aは絶対ごねるから賛成って言ってた動画一応送っといて。俺が後で見せる。」
「マスターホント知らないよ？A結構煩いよ？」
「だーかーら、そのための動画だろ？」
「悪いなぁ。マスターは。」
「その分安くしてやったから。いいだろ？」
「俺、共犯じゃん！」
「ハハッ！まぁ、連れて帰ってやって。」
「今度絶対覚えててよ？」
そう言い残してAの肩に腕を回す。
…これおぶったほうが早く無いか？でもスカートだしな。しかもタイト。下着が見えたらそれこそAに殴られる。
仕方ない。タクシーまで頑張るしか無いか。
「A！ちょっと頑張って歩いてー。タクシー乗るぞー。」
「うぅーん、いややー、歩けるわ！駿貴のアホ！」
「はい、はい。わかったから。」
悪態をつくAを抱えてタクシーまで歩く。
「ほら乗って。あ、運転手さん吐くとかはないんで。○○までお願いします。」
「駿貴のアホ！失礼な！吐かへんわ！あのジェームズ今度会ったらしばいたんねん！先に潰れるとか失礼やろ！声かけたんやったら責任もたな！」
「はいはい、俺が責任持つから、寝とけ。」
「なんや、大人のフリして。ええ男やなぁ〜」
「あなた久しぶりに面倒くさいわね。ええ女やねんからお利口にしとき。」
「えへへ〜、ええ女か？なぁ？泊まって行くやろ？なぁ？」
「はいはい、そうさせてもらいます。運転手さん次右で。」
酔うと面倒で京都弁が出てくるこの女を相手にできるのは俺だけだとあの日までは思っていた。
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作者名：未果子 | 作成日時：2020年12月25日 1時
