【QK】女王はバーで溺れる (ページ22)

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終電を気にしながらみんなで駅に向かって歩く道中、改めて伊沢さんにお礼を言った。

「ご馳走になってしまって、すみません…。」

「いえいえ、本当に楽しかったですしご相手いただいた御礼です。」

爽やかに笑いながらリップサービスを言ってくれる伊沢さんは本当に年下かと疑いたくなる。そりゃ、芸能界でお仕事をして、会社を自身で立ち上げて社長業をされているのでしっかりしていて当たり前かも知れないが、同じ会社の後輩の子達と比べるとやはり大人びてるなぁと感じざる得なかった。

「なんとか間に合いそうです！」

「よかった～。結構冷えてるからタクシーも捕まりにくくなっちゃうしね。」

「この時期はそうだよな。」

寒くなったこの時期はタクシーは確かに捕まりにくい。終電を逃すとみんなタクシーに流れるからだろう。本当に終電前に気づいてよかった。
早足で歩きながら山本さんと福良さんの路線(駿貴が隣の駅なのは知ってる。)が分からないので今のうちにお礼を述べておかなければいけないことを思い出す。

「今日は皆さんありがとうございました。とても楽しかったです！」

「こちらこそ！ゲームとっても楽しかったです！」

「僕も久しぶりにトランプしたんで楽しかったです～。」

「福良さんは鬼でしたけども…。」

「あはは！そんなことないですよ～！」

「いつも通りのふくらさんでしたよ。」

「一番怒らせちゃダメなタイプですね。」

「やっぱりAも思う？」

「そうやろ。腹の中わからん人は怖い。」

「あ、やっぱり京都の人はそういうの気になさるんですか？」

「「出たー。これ。」」

思わず駿貴とハモってしまった。いや、これは本当に某ケンミンショーの影響で全国区に京都人は腹黒い認定されてる。ひどい。そんなの気にするのしないのほんの一部の人間だ。
私は少しその地域から外れているからそんなの気にしていない。

そう言われたことにより京都への誤解を解こうと駿貴とギャーギャー福良さんに反論していると駅に着いた。

「それではこれで。」

「僕こっちだから。」

「僕はこっちなんで。」

「俺とAは一緒だな。」

「今日は本当にありがとうございました。」

福良さんと山本さんがそれぞれの改札に向かっていく。駅まできた伊沢さんはタクシー乗り場に。私は駿貴と同じ改札に。別れを告げお互いの姿が見えなくなるまで手を振り続ける。…素敵な週末になったなぁ。

あ。京都人は腹黒くない誤解解いてない。