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大方仕事を処理した頃にちょうど洗濯機から終了の音がした。どうやらかなり集中していたらしい。

うーんと体を伸ばすと洗濯物を干す為に立ち上がり、洗濯機へと足を向ける。部屋には太陽の光が差し込んでいる。うん、今日は洗濯日和だ。
冬はなかなか洗濯物が乾かないので乾燥機を導入しようか最近本気で考えている。憧れの乾燥機に思いを馳せながら服を干していく。1週間分の洗濯物だがそこまで多くはないので10分ほどで干し終わり、バスケットを片付けソファに戻ると携帯から通知音が鳴る。

…この音はメッセージだ。
まさかと思いながら携帯画面を見るとそこには登録していない番号と伊沢の文字が。


「え、返ってきたんですけど。返事。」


返せないような内容を送ったつもりだったので、返ってくると思ってなかった返事にびっくりして思わず声に出して驚いてしまう。そういえば一人暮らしをすると本当に独り言は増える。この前なんてテレビに突っ込んでたし、わかるわかる。と同意もしてた。寂しいなんて言わないで。これは一人暮らしあるあるだと思う。…なんて軽く現実逃避するくらいには驚いている。

いや、普通の人なら驚くだろう。
自分でも鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしているのを感じながらメッセージアプリを開くとそこには確かに伊沢さんからの返信が来ていた。


“こちらこそありがとうございました。伊沢です。
とても楽しい時間をありがとうございました。
須貝さんが内緒にする理由ががわかった気がします”

“是非ともまたご一緒させて頂いてもいいでしょうか?。
出来れば今後ともよろしくお願いします。”


スマート。実にスマート。
え、ホント伊沢さんスマートがすぎない?当たり障りなくかつ、次回を匂わせる感じ…。
動画を見ていた雰囲気で不器用そうなイメージを勝手に作り上げていた私が悪いが、こんなにスマートな対応をされると思っていなくて狼狽てしまった。

久しく(いや駿貴はご飯にいくとエスコートしてくれるのですごく久しぶりとまではいかないが…と言うかあの男とはそういう仲になるという選択肢がないのもあるが)、ここまでスマートな対応をされたのだったのでこれはその…正直どきりとくるものがある。

強いていえば守備範囲外からの攻撃に弱い。というのは全人類とまではいかないが多くの人が当てはまると思うのだが…え?私だけ?

さて、質問になんて返そうか。

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作者名:未果子 | 作成日時:2020年12月25日 1時

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