存在ヲ【文スト】伍

・（２） ページ10

「小僧なき探偵社はさぞや居づかろうて




そなたの所偽で殺されたとあれば尚更」




ズブ…と刃が食い込んでくる


「ぐ…」


『…敦さん、鏡花さん』



「動くでないぞ小娘。
動けば小僧の首により刃が入る


それに…

そなたにはかなり深くその傷をつけたのじゃ


小僧は再生能力をもっておるがそなたにはなかろう。

これ以上動けば小僧は首をはねられ、そなたは出血多量で死ぬぞ」



『……、』















「待って」
















「判った




……戻ります、だから」






鏡花ちゃんが、そういった





すると相手はにこりと笑って


「凡てそなたの為じゃ、鏡花


孰判るときが来る」





僕に刺さっていた夜叉の刀を抜いた





ドサッ


いきなりのことで重力に逆らえず地面に落ちる






相手は鏡花ちゃんに手を差し伸べ、

それを手に取る鏡花ちゃん




「ぐ……！」




僕はただ、それを見ているしかなかった








だが






そこで、紅い傘が落ちた





それははじめから相手が持っていたもので












「……！！」







鏡花ちゃんの刀が相手の腹に刺さっていた





相手は何とか刃の部分を持ち、深く刺さるのを阻止していた









「流石じゃ……鏡花


まるで殺気を……感じなんだ」









サッと鏡花ちゃんは自身が持っていた携帯とは違う携帯を取り出した





「！」





あれは…鏡花ちゃんの異能力を操作するために使った携帯









「明るい世界を見た



知らなかった頃にはもう戻れない」







「……それを使うな鏡花


使えばそなたは」



















鏡花ちゃんは、その時確かに





震えていた



















「夜叉白雪





私の敵を倒して」














ガキィイィイッ！！





２つの夜叉が交わった










『…(“姐さん”に問題(違和感)は無かったようですね


















…孰(いずれ)、ですか。)』

・（３）→←・花と紅葉、雪と金色（１）

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す