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｢そこなの？｣
｢酔っ払いわけわかんねー、笑｣
予想外の着目点に、私も翔太も顔を見合わせて笑ってしまう。
今の話の流れは完全に失恋話の流れだったのに。
｢目黒ともすごいなかよくなってさあ〜、翔太ともそんなになかよくなったの？｣
｢どうしたの、深澤くん、笑｣
｢だって、おれいっちばん最初は、三人の中でいっちばーんなかよかったよね？なんで、？｣
｢えぇ？笑｣
なかなかの圧で聞いてくる深澤くんに押され気味になる。
自分よりも酔ってる人を見ると酔いって少し覚めてくるよね。
｢深澤くんも仲良し、だと思ってるよ、私は｣
｢ほんと〜？じゃあ今度遊び行こーね｣
｢うん、分かった分かった｣
駄々をこねる小さい子のような深澤くんを宥めるように落ち着かせた。
深澤くんが酔うとこんなになるのは驚いたけれど、酔っ払いにはとりあえず全部分かったと言っておく。
困惑している私を見て他人事のように翔太は、おもしれー、とケラケラ笑っている。
｢めんどくせぇからふっかって呼んでやればいいんじゃね、笑｣
知らねえけど、とまた笑う翔太。
少し酔いが覚めてきて恥ずかしいけれど、これもコミュニケーションだ、とよく分からない持論で自分を鼓舞する。
いつの間にか運ばれてきていたレモンサワーをまた半分ほど流し込む。
｢ふっか、｣
｢…本当はおれもなまえがよかったけど〜｣
そう言いながらもニヤニヤと頬を緩めているため、機嫌が良くなったのが目に見えて分かる。
｢文句言うなら深澤くんって呼ぶ｣
｢ねえごめんうそ〜｣
少し拗ねたように言うと、私の腕を掴んでブンブン振って謝ってくる。
……なんか赤ちゃん相手にしてるみたいだな。
｢もうふっか何してんの、離しな？｣
｢あ、りょーへーくん｣
さっきの流し込んだレモンサワーが回ってきて呂律が上手く回らなかった。
亮平くんはブンブンと腕を振るふっかを引き剥がして私とふっかの間に割り込んで座る。
｢A、飲みすぎじゃない？｣
｢そんなに飲みすぎてはないよ、｣
｢本当に？心配だよ｣
心配性だなぁ、と笑いながらレモンサワーに手をつけようとすると腕を持って止められた。
深澤くんは机に突っ伏して寝始めてるし、照は酔っぱらいのカナの介抱をしている。
で、何故か翔太はこちらをガン見している。
なに、このカオス、
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作者名：オユ | 作成日時：2021年2月24日 0時
