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まずい、これはノート取り忘れたやつ。
「あの〜、ふっ…かざわくん」
「ん?どしたの」
「えっと、あの、今のスライドのとこ、後で写させてもらってもいい?」
「ん〜全然いいよ。不真面目タイム入っちゃった感じ?わら」
オドオドと頼む私を見て深澤くんは笑いながら少しだけ私をいじる。
いじられて嬉しいってちょっと語弊を呼ぶけど、仲良くなれた気持ちになれて浮ついてしまう。
「ふっ…かざわくん…。は優しいから全然見せてあげるよ〜」
ぶはっ、と思わず笑ってしまう。
即座に私のオドオドしさをモノマネしてきた。やっぱり面白い人なんだろうな。
「深澤くんって意外と面白いんだね」
「え、俺もしかしてつまんないと思われてた?わら」
「いやそうじゃなくて!かっこいいし優しいから。三枚目系のキャラだと思ってなかった」
「いやいやいや、三枚目じゃなくて二枚目なのよ?」
私の三枚目発言をおどけながらすぐ否定するところから見て、やっぱり三枚目なんだろうな、と笑ってしまう。
そこ笑うとこ?とツッコまれたが、それもそれで笑えてきてしまった。
時代がまだ追いついてないだけとか、二枚目の定義に俺はピッタリなんだとか、よく分からない言い訳をしてくる深澤くんにツボってしまう。
そんなふざけてばかりいたせいで、やんわりと先生に授業中は静かにねと注意をされてしまった。
「爆睡してる渡辺くんは注意されないんだ……」
「まあ、起こすのもめんどそうだしって判断したんじゃない?わら」
「理不尽……」
注意された私たちを気にすることも無くスヤスヤと眠る渡辺くんを眺める。
…らしくないけど、渡辺くんとも仲良くなることが出来たら、いいな。
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作者名:オユ | 作成日時:2021年2月24日 0時