-11- ページ11
・
翔太に珍しく急かされ、5限の教室へと急ぐ。
ついさっきの目黒の話を思い出す。
…なんか、俺が1番グループの中で全員と仲良いと思ってたんだけどな。Aちゃんと唯一喋るし。
柄にもなく、少しだけモヤモヤしてしまう。
翔太の『全員B型じゃん』という言葉がふと浮かぶ。
しっかり俺もB型なとこ出ちゃってんね。
｢あれ、深澤くん、渡辺くん｣
後ろの扉から教室に入ってすぐ、声の方へ振り向くとタイムリーにも程がある、Aちゃん。
Aちゃんも同じ授業だったんだ。
｢あれ、奈子ちゃんは？｣
｢あ〜…奈子は三限だけで。四と五は私一人。｣
｢…そっか、そうなんだ｣
目黒はここで一緒に受けていい？とか聞いたのかな。
わざわざそんなこと考える必要は無いのに気になってしまうのは、やっぱりB型の部分が出てしまってるからなのかな。
｢じゃあ俺ら一緒に受けていい？｣
｢…え！？｣
｢え？？翔太何言ってんの！わら｣
翔太の唐突な提案に頭の中はパニック。
翔太も同じこと考えてた？
いや、そんなことは多分ないよな。翔太だし。
｢いや、俺ら来るの遅くて席もう最前しか空いてないし。俺最前は嫌だもん｣
｢あ〜ね、そゆことね｣
全力で納得出来る、ザ・翔太 な理由だった。
もしも、一緒に授業受けようと言ったとして、1人で受けたいと思ってたりしないかな、俺らとは受けたくないんじゃないかなんて無駄に考えを巡らせていた自分が馬鹿に思えてくる。
｢全然いいよ｣
｢ごめんね、Aちゃん。ありがとね〜｣
Aちゃんは快く荷物をどかして席を空けてくれる。
思ったよりも気まずそうな顔はしていなくて安心した。
Aちゃんの隣に俺、その隣に翔太が座った。
なんか、結局目黒に触発されたみたいな感じになっちゃったな。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1220人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「目黒蓮」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：オユ | 作成日時：2021年2月24日 0時
