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meguro side
授業の作業で組まされたグループ内の唯一の初対面の先輩、佐倉Aさん。
本当はランダムのグループなんて初対面の人ばかりだと思ってたけど、俺は運良く？しょっぴーとふっかさんと同じグループになった。
顔馴染みの中に混ざることとなってしまった彼女は終始気まずそうな表情をしていたけど、プレゼン資料を作るまでの予定や役割分担などを真剣に考えてくれた。
｢Aさん、さっきの授業で話してた時は真面目な人なのかと思ったんすけど、単位とか落とすんですね｣
｢全然真面目じゃないよ、前期もたくさん単位落としちゃったし｣
そう言ってこちらを見てヘラっと笑う。
｢え、それも出席日数？｣
｢いや〜お恥ずかしいばかりですが。そうです｣
おどけた口調で少し恥ずかしそうに言う彼女に、さっきの授業で真面目に話していた姿とのギャップを感じて笑ってしまう。
そんな俺を見て少し困ったように彼女も笑う。
｢…あの、正直気まずいですか？さっきのグループ｣
Aさんに思い切って話を切り出すと、少し驚いていたが、直ぐにまたヘラりと笑った。
｢気まずいっていうか、3人が仲良いみたいだから私がグループに入ってしまって申し訳ないみたいな気持ち、かなぁ｣
｢え、Aさん、ふっかさんと仲良いのかと思ってたんですけど｣
｢仲良くないわけじゃないんだけどね、普段挨拶くらいしかしないから。あと私自身人見知りだからちょっと緊張しちゃってた｣
人見知り、だとしたら、この状況も本当はあんまり良くは思われていないのかもしれない。
名前だけだとしてもグループのリーダーになったし、いつもは自分から関わらない女子とも仲良くなってみようと思ったけど、意外と難しい。
ガラガラ、とドアの開く音と共に急いだ様子のこの授業の担当教師が入ってくる。時間を確認するともう既に授業開始時間から5分経っていた。
｢始まるのは毎回遅いけど、終わるのはちょっと早いんだよ、あの先生｣
｢授業短くてラッキーっすね｣
｢そう、ラッキー｣
先輩らしく先生の情報を教えてくれたと思ったら、ラッキーな気持ちを伝えるためかピースをしながらこっちを向くAさんはお茶目で可愛かった。
人懐っこい様に見えるけど、これでも人見知りなんだ。
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作者名：オユ | 作成日時：2021年2月24日 0時
