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「ジョングク君朝帰りしたの！？」
「うん…。」
「彼女いたとか？」
「いないとは言ってたけど…。」
目の前にあるビールを一口。ほろ苦い味が口内に広がって、いつもなら美味しく感じるはずのビールが、今日はなんだか味気ない。
明日は祝日とあってか店内は混雑していて、他のテーブルからは楽しそうな声が聞こえる。
それに比べて私達は盛り上がる事もせず、テヒョンは黙ったまま。ジミン君は私の話に相づちを打ってくれたりしていた。
「そっか…。せっかく昨日はジョングク君の就職祝いを兼ねて準備してたのにね…。きっと大事な用事があったりしたんだよ」
「だとしても…グクはまだ未成年だし。何かあったんじゃないかって心配で。それにグク人見知りだし、昔から私が側にいないと、」
「あのさ、Aは何に対して腹立ってんだよ？連絡しなかった事にか？それとも用意していた料理を無駄にされたからか？アイツだっていつまでも子供じゃないんだから、あんま干渉すんなよ」
「私は…グクの姉だから。家族として心配もするし干渉だって、」
「俺にはそうは見えないけどな」
不穏な空気を察してか、ジミン君は空になった私のコップへとビールを注ぐ。「喧嘩せずに楽しく飲もう」と優しい心遣いに感謝はするけど。
苛立ちは鎮まりそうにない。
テヒョンは何も知らないじゃない。
グクと私の事を。
「何が言いたいのよ？」
「強いて言うなら、お前が腹立ってんのは自分の知らない所でアイツに勝手されるのが嫌なんだろう？朝帰りの理由も女かも、」
「だったらなんで私の事が好きだなんて言うのよ！キスまでして、私の事が欲しいって！あれは全部嘘だって言うの！？」
「え、え、何どう言う事！？ジョングク君とAちゃんってそんな深い関係だったの！？」
一気に静まりかえる店内。
皆の視線を感じても、お酒の勢いもあってか気にせず言葉を続けようとする私に、テヒョンは溜め息を吐く。
「弟なんて都合いい解釈で逃げようとすんな。お前の中でのアイツの立場は、もう弟なんかじゃないはずだ」
確信をついたテヒョンの言葉に、私は何も言い返す事が出来ず。
ビールを一気に喉へと流し込んだ。
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2019年3月31日 1時
