初恋相手は姉さんでした。【JK】 (ページ31)

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「ジミン君ごめんね…。」

「気にしないでいいよ。僕はAちゃんと一緒にいれる時間が増えて嬉しい」

仕事でのミスがきっかけで残業になってしまったAちゃんの手伝いを申し入れ、僕は緩んだ頬に気合をいれるべく片手で軽く自分の頬を叩く。

静かな部署にキーボードを叩く音と、隣には可愛いAちゃん。うーんと悩む彼女の仕草をチラチラと盗み見ては、その可愛い姿にまた頬が緩んでしまう。

二人きりの幸せな時間。

「二人きりじゃなく俺もいるけどな」

「テヒョン、僕の心勝手に読まないでよ」

「隠しようもなくただ漏れだから。正確には俺とAの二人きりのはずだったのに、ジミンが手伝うって聞かなかったんだろ？」

「Aちゃんと僕は二人で一つだもん。そうだよね？」

隣のAちゃんに同意を求めれば、彼女はパソコン画面を見つめたまま。その表情はいつもと違い元気がなくて、例えるなら心此処にあらずって感じだ。

今日は朝からずっと溜め息ばかり。
机に置いてある携帯は何度も震えて、その度にAちゃんは気にしてはいるのに携帯画面を開かない。

仕事でもミスして、テヒョンがミン主任に怒られているAちゃんを庇って、その嘘が主任にバレてテヒョンは仕事を言いつけられた。

テヒョンがAちゃんを庇う事は、なにも今日が初めてじゃない。
僕よりもAちゃんをよく見ていて、何かあれば直ぐに助けに入る。

機転がきくテヒョンと違い、僕は何も出来なくて…。

だから彼女の事を諦めるのかと聞かれると、それも違う気がする。

テヒョンに出来る事、僕に出来る事。
互いに違う役目で、Aちゃんを支えればいい。

「Aちゃん、たまにはパァッと気晴らししない？嫌な事忘れてさ」

「ジミン君…。」

「いつもの公園での飲み会もいいけど、今日は夜の街に繰り出そう。明日は祝日だし、酔い潰れても平気だよね」

「いい男も二人いる事だしな」

「えー、テヒョンも付いて来るの？」

「ジミンお前な…。」

「冗談だよ。Aちゃんいいよね？」

僕の誘いに、一度携帯を見たAちゃんが頷く。

「さっさと仕事片付けよう！で、Aちゃんの抱えてるもの僕らに教えて。僕もテヒョンも、Aちゃんの悩みならとことんまで付き合う覚悟できてるから」

泣きそうな表情のAちゃんは、ありがとうと呟いた。