初恋相手は姉さんでした。【JK】 (ページ19)

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「姉さん。今日の夕飯はなに？」

「グクは何が食べたい？」

「そうだな、」

「Aっ！！」

「テヒョン…？」

私の名前を呼んで駆けよってくるテヒョンに「そんなに慌ててどうしたの？」と呑気な言葉を言ったのが悪かった。

「俺がどれだけお前のこと待ってたと思ってんだ！」

「待ってたって。私テヒョンと約束して、」

「A…いつからお前らそんなに仲良くなったんだよ？」

テヒョンは私とグクの繋いだ手に視線を落とし、舌打ちをした。

携帯の電源を切ったことに怒ってる？それともちゃんと居場所を教えなかったから？とにかく、テヒョンが機嫌が悪いのは見てわかる。

私とグクを睨み付けてくる目が怖い。

「テヒョンさんには関係ないじゃないですか」

「お前は黙ってろ。俺はAに聞いてるんだ」

「テヒョン落ち着いて、」

「俺は至って冷静だ。だからAこっちに来い」

私の腕を掴もうとするテヒョンに「俺の姉さんに触らないでくれますか」とグクがそれを阻んだ。テヒョンから私を守るように。自分の背に私を隠して。

「"俺の"って、冗談にしては笑えねぇんだけど」

「冗談でこんなこと言ったりしません」

「なら、尚更Aを渡すわけにはいかねぇ。弟だと安心させて、考えてる事はお前も俺と同じ。Aのこと欲しくて溜まんないって面してる」

「俺は…！」

「グク？」

「Aには知られたくねぇよな？知られたら一緒に居られなくなるもんな」

二人だけのやり取り。テヒョンはグクの何かを知っていて、グクはそれを私に知られたくない。

一緒に居られなくなるってどういう意味？

「二人ともなんの話をしてるの？私にもわかるように説明して」

「ごめん…。姉さんには言えない」

「お前が言えないなら俺が言ってやろうか？コイツがAのことを、」

「ストーーーップっ！！」

大きな声と同時に、その人物に突き飛ばされたテヒョンはバランスを崩して派手によろめいた。

「危ねぇ…！急に何すんだよ！？」

「うるさい！僕のアパート前で揉め事するんじゃない！」

声の主はジンさんだった。

テヒョンの顔にビシッと指を突き付け、仁王立ちする姿が何故か頼もしく感じた。