story27 ページ28
潤くんは直接僕の家には帰らず、食材を買うからといってスーパーによった。
「お前余計なもん買うからさ、俺のそばから離れんなよ？」
なんて冗談みたいに笑いながら僕の手首をつかんだ。
「潤くん？何作るの？」
「逆に何が食べたい？お前の食べたいもの作るわ」
僕の…食べたいもの？
もともと食にはそんなに関心がなかったし…
最近の僕にとって、食べ物は吐いて快感を得るだけのものだった。
ん？快感を得る？
そう。僕は確かにいつも吐きたいって思ってる。
そして吐くとすっきりする。
でも吐いてしまった後はどうしてこんな風になったんだろうって苦しんでるのに。
どうして僕はこんなことをしてしまっているのだろうか。
考えれば考えるほど自分がわからなくなる。
「…の！？にの！？」
潤くんが肩をゆすってくれたことでぼんやりしていた思考の中から抜け出した。
「大丈夫！？」
心配そうに下から覗き込む潤くんがいて、あぁまた心配させてんなぁって自分が嫌になる。
「もんじゃが食べたいかなって」
僕は笑いながら答えた。つもりだった。
だけどその笑顔は自分でもわかるくらい弱弱しくて引きつっていたと思う。
潤くんは優しく笑って、
「いいねぇ、もんじゃ。ホットプレート出してもんじゃのもとかってさ。」
「海鮮もいいけどコーンチーズもいいね」
なんて言いながら僕の手を引いて歩き出した。
歩き出した潤くんは背中を向けたまま言ったんだ
「俺、お前の笑顔好きだけど、笑いたくないときは笑わなくていいよ？」
「無理するなとかそういうことじゃなくてさ…」
「別に、俺はへらへらしてるニノだから好きなわけじゃないから。」
「お前が食べようと、食べなかろうと、笑おうと、笑わなかろうと」
「いや、できれば笑って食べてほしいけど」
「なんて言うの？どれも同じニノなんだから」
「俺の前ではとりつくろわなくていいよ？」
不器用な潤くんが、背中を向けて一生懸命紡いでくれる言葉。
どんな形だけの言葉よりもしどろもどろのそれがうれしくて。
手を引かれながら少しだけ涙ぐんだ。
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みるく(プロフ) - ホシネさん» コメントから二カ月空いての返信となってしまい申し訳ありませんでした。コメントとてもうれしいです。今後ともよろしくお願いいたします。 (2017年9月8日 12時) (
レス) id: 73eac9ba88 (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - kammostsluvamosさん» 半年以上前にコメントいただいていたのに遅くなりました。更新楽しみという言葉、本当にうれしいです。ありがとうございます。 (2017年9月8日 12時) (レス) id: 73eac9ba88 (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - りむさん» コメントありがとうございます。そして一年以上たった今返信はお求めでないと思いますがとてもうれしい言葉をいただいたので本当に感謝しております。ありがとうございます。 (2017年9月8日 12時) (レス) id: 73eac9ba88 (このIDを非表示/違反報告)
ホシネ - この作品を見て感動しました、ニノの状態がめっちゃ心配ですぅ！更新を楽しみにしていますqwq (2017年7月6日 6時) (レス) id: e09a1adc68 (このIDを非表示/違反報告)
kammostsluvamos(プロフ) - めちゃ泣けます(；＿；)更新楽しみにしてます！ (2017年2月9日 22時) (レス) id: c4f9a481e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるく | 作成日時：2014年12月2日 11時
