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俺は、伝えたい。 ページ43

「…帰、らないとね」

?「…A」ギュッ

「え…その声。まさか……」

マ「…行くなよ」

「なんで、ここに…」

マ「たまたま通っただけだ」

「……帰ってよ」

マ「泣いてるお前を置いて帰るのは無理だ」

「…泣いてるのは関係ないでしょ」

マ「関係なんて大有りだよ」

「…」

マ「カッコ悪いだろうが」

「……何」

マ「好きなやつの涙さえ止められないなんて」

「!…また、そうやって」

マ「本気だよ。俺は、いつだって」

「っ!」

マ「俺はお前が好きだ。大好きなんだ」

「…マサイ」

マ「…何だよ」

「ごめんね、マサイ。私は知ってるの」

マ「…は?」

「永遠の幸せなんてないの。花も枯れるでしょ」

マ「っ!…そんなの」

「バイバイ」ドン

ダッダッダッ

マ「…そんなの、俺が幸せにしてやるんだよ」



角を曲がり、路地裏に入る。

壁にもたれかかり、息を整えた。

「…マサイ……なんで、なのさ」

あのタイミングで会うとは思わない。

あのタイミングで告白されるとは思わない。

「…ごめん。ごめんね…大好きだよ」

なんで、私は正直になれないのだろうか。

雄大にもバカ正直と言われたのに。

こんなときに正直にならずに、どうするのだ。

「何が、したいんだか」


嗚呼、こんなの、もう取り返せないじゃん。

どうして、私はこんなにもバカなのだろう。

どうして、あんなやつに恋をしたのだろう。

どうして、どうして。なんで、なんでなの。

私は、弱い。怖いから、すぐに逃げるんだ。

逃げるのはグズな私の、悪い癖なのだから。


「どうしたら、いいのかな」


そんな呟きは町の人混みに溶け込んでいく。

誰にも聞かれないままで、消えていくのだ。

まるで泡のよう。誰にも気にされないのだ。

気にされたとしても、何事も無かったよう。

地球は残酷に、回り続けていくのだろうな。

たとえ、人一人に何かがあったとしてもだ。

たかが1人だけ、影響なんて、何も無いの。



拝啓、どこかの愛しき人。

私は貴方に嘘をついたのです。

こんな私を許してくれますか。

私を、愛してくれるんですか。

貴方しか知らない『愛』です。

その愛を、教えてくれますか。

もし届くのなら聞いてほしい。


「貴方は私を愛してくれるのですか…?」

あの歌を届けに。→←君に届け、愛の歌。



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緋歌梨(プロフ) - ページ21の絶交の漢字の間違いはわざとですか?わざとだったらすみません… (2020年10月5日 17時) (レス) id: ef32365840 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずれもん(プロフ) - そう言って頂けて嬉しいです!これからも頑張ります! (2018年10月11日 20時) (レス) id: 304825c5c2 (このIDを非表示/違反報告)
Leaf(プロフ) - いつもドキドキしながら読んでます!これからも頑張ってください!! (2018年10月11日 17時) (レス) id: b8ce9cd4fa (このIDを非表示/違反報告)
Leaf(プロフ) - 何でこんなに低評価なん?めっちゃ面白いのに! (2018年10月11日 17時) (レス) id: b8ce9cd4fa (このIDを非表示/違反報告)
ゆずれもん(プロフ) - すいません!直しておきました。ありがとうございました! (2018年10月5日 10時) (レス) id: 304825c5c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆずれもん | 作成日時:2018年10月5日 8時

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