Top Secret (ページ39)

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「お兄ちゃんはいま出張でいませんよ？」

ty「知ってる。今日はAちゃんに会いに来たの」

そういって渡されたのはUSBメモリー。
これをわざわざ届けにきてくれたの？

「データに送ってくれればよかったのに…」

ty「大事なデータだからどこかに漏れちゃったら困るんだよ。
こうやって渡した方が確実でしょ？」

確かに。
USBメモリには極秘ってシールが貼ってあった。
新商品のデータが入っているのかな。

ty「ところでさ、あそこで睨んでる子ってAちゃんの彼氏さん？」

「え」

わたしに近づいてこっそり耳打ちしてくるテヨンさん。
びっくり。さすがの観察眼。
やっぱりその若さで本部長まで登りつめただけある。

一瞬ごまかそうかという考えがよぎったけれど、嘘ついても結局バレるだろうなと感じて今回はすんなりと認めることにした。

「はい。でもお兄ちゃんには秘密で…」

ty「うん、もちろん分かってるよ。だってあいつ大騒ぎでしょ？」

もう一度ジェノくんのところに視線送ると気まずそうに今度は逸らす。

いま目の前にいるのはジェノくんに再会する前にわたしが片想いしてたひとだよって教えたらどうなるんだろう。