Top Secret (ページ37)

今日:73 hit、昨日:179 hit、合計:121,044 hit

・ページ37

.

会社から出た瞬間、外は真っ暗でひんやりと冷やされた空気に冬だと実感する。

さむいなあ、って無意識に手をすりすりと擦り合わせて温めていたらしく、それを見つけたジェノくんがわたしの片手を掴んで指を絡ませた。

頼れる明かりは街灯のわずかなオレンジ色だけで逆に周りが暗いおかげでわたしたちの顔なんてはっきり見えないから今日は堂々と手を繋いで歩けるの。

「あ、そうだ。今度ジェノくんの家泊まってもいい？
せっかくお兄ちゃんいまいないし」

ほんとはずっと泊まってみたいなって思ってたんだけど普段ならばれちゃうから。デートするのは買い物してたとか友達とご飯行ってたって言い逃れできるけど、家をあけるのはさすがにまずい。ジユのところに泊まっていたことにすることも考えたけど、バレたときが恐ろしいのでやめた。

でも今日はまたとない機会でこれを逃したらいつできるかわからない。

だからわたしがそう提案するとジェノくんの目が輝いたようにみえた。

jn「いいよ。いつにする？」

「金曜日、とか？そのまま週末だし」

jn「明日の夜からね。いいよ」

「やった」

また楽しみがひとつ増えた。
気分がよくなったわたしは繋いでいる手をぶんぶんと振り回して街灯が照らす道を歩いていった。