Top Secret (ページ32)

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仕事はスムーズに進んでわたしがまた車に戻ってきたのは正午を回ったころ。

さっきまで降っていた雨は止んでどうやら通り雨だったみたい。いまはすっかりと晴れている。

「ちょっと何か食べてく？」

小腹が空いて、そう提案すると返事の代わりに車から出てくるジェノくん。

大通りをぶらぶらと歩いていたらおいしそうな匂いがして、辿った先には串焼きの屋台があった。

ちょうどいいねってなってそこで決まり。

「実はね、ジェノくんと一緒にお昼ご飯食べるの夢だったんだ〜」

「そうなの？」

うん、と頷きながら串に刺さった肉をぱくり。

今日は思いがけないところからのプチデートだから特別さを感じてより気分が上がった。

やっぱりわたしは食べるのが遅くて、串の奥にあるお肉を頑張って食べてたら、視界の端にいる彼からの視線を感じる。

この前みたいにまた口の端についちゃったのかなって

「なにかついて、る？」

隣のジェノくんの方を見るため首を動かした瞬間
タイミングを待っていたみたいに重なるくちびる。

一瞬なにされたか分からなくて、わあキスされたんだって気づいたときには悪戯心を含んだ笑みの彼がいた。

jn「なにもついてないよ。
ただこっち見てくれないかなって見つめてただけ」

わたしも照れくさくなって笑っちゃう。

あーだめだ。
胸いっぱいに幸福感が溢れてもはや夢の中なんじゃないかって思う。でもこんなに幸せな気分になれるのなら夢だとしてもいいかも。

もう少しふたりでいたくて、わたしはわざと食べる速度を落とした。