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『で、そのイジェノって人はAの初恋の人で確定なの？』
今日は高校時代からの友達であるジユと職場からすこし離れたところの居酒屋で飲んでいた。
ほんとはわたしの失恋を慰める会だったんだけどいつの間にかわたしの初恋の話で持ちきり。
｢うん。人事部のパソコンで検索したら、出身地が同じだった｣
『あれ、Aって出身ここじゃないの？』
｢お母さん再婚してからこっちきたんだよ｣
『ああ、そうだったね。
でもさ、このタイミングで現れるってことは新しい恋をしなって神様が言ってるんだよ』
｢う〜ん、でも小さいときの初恋だよ？相手もきっとわたしのこと覚えてないし、わたしもいま彼のことすきなわけじゃないし｣
『まあね。 てかさ、Aはなんでそのときイジェノさんのことすきだったの？』
｢え？ ああ、
正確には覚えてないんだけど、なんか男子たちが足球してたとき？かな。わたしにボールが直撃しそうになって、そのときジェノくんが庇ってくれたの。そのおかげでぶつからずに済んで…それからすき、になったはず｣
『え〜めっちゃかわいいじゃん。でもAってずっと変わらないよね。優しくされるとすきになるところとか。テヨンさんだってそうじゃん』
｢わ！また傷えぐらないでよ｣
そういうとアハハってだいぶ大きめの声量で笑い出す。
でも『意外とAが落ち込んでなさそうで安心した』って言ってくれる、そういう優しいところがすき。
あ、やっぱりわたしって優しい人がすきなかも。
テヨンさんはお兄ちゃんの大学の同期でよくうちにも来ててその度によくしてもらったし、かわいがられた。
そのかわいいね〜って言葉をまるまる鵜呑みにしてすっぽり恋に落ちてしまったわたしが悪い。
久しぶりにうちにきたと思えば結婚のご報告、それが昨日の出来事。
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作者名：みる | 作成日時：2023年11月22日 16時
