Top Secret (ページ27)

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doyoung side

今日はあのお見合い相手と会食するって突然聞いてそれからなにも手につかなかったのに、そんなことなんて知らずにただいま〜なんて呑気な声を出して帰ってきた。

dy ｢オッパが迎えにいくから終わったら連絡してって言ったのに｣

｢あ、ごめん忘れてた。いろいろありすぎて｣

その態度から相手とどのように進展したのか全く読めない。

『おかえりA。どうだった？』

ドアの閉開音から娘の帰宅を察知して部屋から出てきたお父さん。

Aはお父さんを見るなり申し訳なさそうに眉を下げた。

｢お父さん、ごめんなさい。今回のお見合いは破談になると思います。わたし、だいぶ怒らせちゃったので｣

破談するかも。
Aにはわるいけどその言葉をきいて肩の力が抜けた。

怒らせちゃったって言ってたけど感情的に人を傷つけるタイプの子ではないから相手がよっぽどひどいやつだったんだなって予想する。

連絡もなしにAの前に急に現れるあたり、自己中心的な部分が垣間見えていたし。

やっぱりAが付き合うとしたら優しくて、穏やかで、でもいざというときは頼りがいがあって、多少わがままをいっても受け入れてくれるような、そんな人があの子にはいい気がする。

『ううん、気にすることないさ。
もしよかったらまたお父さんが次だれにするか探そうか？』

いくらなんでもたったいま失敗したばかりなんだからすぐまたお見合いなんて。

そう口を挟もうとしたら

｢わたし、すきなひとがいるんです｣

耳を疑うような言葉を発する妹。

dy ｢まって、A。いまなんて？｣

その声を無視してお父さんと会話を続ける。

｢だから今度だれかにお見合いの声がけががあったらそういって断ってください｣

お父さんはそうか、わかったよって
どうしてそのまま納得できるのだろうか。

お父さんの返事をきいてそそくさと部屋に戻るA。

急に好きなひとがいるなんて、今までそんな素振りがなかったから驚いたけれど…

でもあの子は賢いからお父さんを大人しくさせるためにそう嘘をついたんだ。

このときは本気でそう思っていた。