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お付き合いを始めることはいいとして、でも問題はまだ残っている。
そう、お兄ちゃんのこと。
この前わたしにすきなひとが出来たら1ヶ月寝込むって言っていたけれど、あながち冗談にきこえない。
昔、付き合ってた彼氏がいてお兄ちゃんにバレたことあるけれど、そのときもまるで生きる活力を失ったみたいに干からびてたもん。
まあお兄ちゃんが現実を受け入れて立ち直るよりもわたしたちが別れる方が早かったんだけどね。
今回もそうなったらって考えるだけでも頭が痛い。
いま会社では商品の海外進出に向けての大きなプロジェクトが動き出していて、その中核といっても過言でもないお兄ちゃんに寝込まれたら会社傾くかも…
｢ジェノくん｣
呼びかけると ん？って顔だけこちらに向けた。
｢わたしたちが付き合っていること、会社では秘密にしない？たぶんね、大騒ぎになると思うの。
今回のお見合いのことも知らないうちに会社中に広まってたし、社内同士で結ばれたってなったらなおさら噂になるはず｣
jn ｢あ〜そうだよね｣
これには納得したような様子だった。
jn ｢でもさ、それって社長や常務にも？｣
わたしにとっては逆にそっちの方が大事。
｢うん。後々言うとは思うけど、いろいろ落ち着いてからのほうがいいかなって。いま大事な時期だし｣
どうかな？って不安げな瞳で見つめていると
jn ｢Aちゃんがそうしたいならそうする｣
と言うので安心した。
｢ありがとう、じゃあ今日はここで｣
と わたしの家の少し手前でさっきまで繋いでいた手を離す。
一瞬戸惑いと名残惜しそうな顔が見えたけれど、社長と常務にも秘密だということを思い出したのか、またふわりと笑って気をつけてね。と手を振る。
こうやってわたしたちの秘密の恋は始まった。
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作者名：みる | 作成日時：2023年11月22日 16時
